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センバツ中止を乗り越えてーーホークスの兄と大分商の弟「川瀬兄弟」が目指すもの

文春野球コラム オープン戦2020

2020/03/18
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今季の“覚悟”の裏に先輩・今宮からの厳しい愛のムチ

 川瀬選手は、キャンプ中から力強くなったバッティングを見せています。取り組んできたことが身になっていると手応えも感じていました。吉本3軍打撃コーチも「今年はバッティングで何かを形にしなきゃいけないという覚悟が見える」と熱心な取り組みを評価していました。

 その“覚悟”の裏側にはこんな出来事もありました。

「『お前、もうクビだろ』と今宮さんに言われたんで、見返すつもりでやっています」

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 自主トレで弟子入りし、可愛がってくれている先輩からの厳しい愛のムチ。川瀬選手はそれを原動力にしていました。悔しい気持ちを跳ね返そうとバットを振り込み、トレーニングでパワーアップを図ってきました。

 そして、“ショートへのこだわり”を口にしました。選手層も厚く、複数ポジションを守れることが求められるホークスでは、川瀬選手もセカンドやファーストの守備に就くこともあります。それでも、「どこでも守れる準備はしているけど、ショートのレギュラーを目指します」と自分にプレッシャーをかけるように力強く言い切りました。

「今宮さんを越えてみせます」

“目指すべき先輩”が“超えるべき先輩”へと変わり、強い覚悟が漲りました。

古澤選手とショートの特守を受ける川瀬選手 ©上杉あずさ

「今年は、僕も1軍に上がっていっぱい試合に出て、弟もプロに入って、良い1年にしたいですね」

 弟はセンバツ甲子園でプレーするチャンスを失いました。自身はキャンプからなかなか1軍でプレーするチャンスが巡ってきませんでした。それでも、弟は夏の甲子園へ、兄は1軍昇格へ……。自分自身の手でその舞台を掴み取るんだと意気込んでいます。困難も乗り越え、互いに支えあい、高めあう川瀬兄弟の飛躍の1年を楽しみにしています。

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