〈破門状 元野内組若中 〇〇(四十九歳) 令和二年二月九日付を以って「破門」致しました
右 念の為御通知申し上げます
三代目弘道会若頭 野内組々長 野内正博〉(一部略)
「6代目山口組」と「神戸山口組」が特定抗争指定暴力団とされた1月7日から約1カ月が経過した2月、この「破門状」が通知され、暴力団業界に波紋が広がった。
破門状の実物には49歳の構成員の実名が記載されているが、破門という処分の原因となった不祥事や不手際などについては具体的な内容は記されていない。
「弘道会」とは山口組の中核組織で、山口組6代目組長の司忍とナンバー2である若頭、高山清司を輩出している。野内の肩書の「弘道会若頭」とは、弘道会内でのナンバー2の地位を示す。弘道会が山口組の中核組織であるのと同様に、野内組は弘道会内の中心的な存在とされている。
「これまで弘道会内で重要な仕事があれば野内組に任されていたことが多かった。弘道会内で信頼されている組織だ」(警察庁組織犯罪対策部幹部)
弘道会傘下の団体で十数人分の処分
そして今回大きな波紋が広がったのは、出回った「破門状」が、野内組の1通だけではなかったためだった。
今年1月から2月にかけて、弘道会内の複数の傘下組織から十数人分の大量の「破門状」や「除籍状」が通知されていたのだ。
同様の通知を出していたのは、弘道会内の「高山組」や「福島連合」など。処分者の年齢は20代から60代と幅広く、30代と40代が多くを占めている。