文春オンライン

法事のキャンセルで月収わずか1万円。現役住職が語るお寺業界のコロナ不況

コロナ休校・自粛体験談

note

住職は休業補償も対象外

 しかし、政府は小さなお寺の救済や補償は考えてくれていないようだ。

 自営業者やフリーランスには休業補償として「一律で日額4100円」の支援策が打ち出されたが、檀家さんから口頭で依頼されるお寺の法事には契約書類が存在しないため、申請することもできない。それ以前に、この補償は子どもの休校で仕事を休まざるを得ない場合に限られるので、独身の私には当てはまらない。

©iStock.com

 中小企業や小規模事業者向けの新たな貸付制度も創設されたが、先が見通せない状況で新たな借金を作っても返済できる保証はない。結局、救済策は何もないに等しいのだ。

ADVERTISEMENT

 もはや住職もきれいごとを言っている場合ではない。私たちも生きていかなければいけないからだ。現在は貯金を切り崩してなんとか生活しているが、この状態が長く続けば生活は破綻する。政府には一刻も早く抜本的な救済策を打ち出してほしい。

法事のキャンセルで月収わずか1万円。現役住職が語るお寺業界のコロナ不況

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー