「文春オンライン」編集部では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、読者に「一斉休校・コロナ休校」についての体験談を募った。
シングルマザーのHさん(女性・55歳)は、イベント運営会社から発注を受けてデータベースの作成などの事務作業を請け負う個人事業主。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)のあおりで様々なイベントがキャンセルになり、3月・4月の収入がゼロになってしまったという。(取材・文=真島加代/清談社)
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2月から仕事はゼロに、震災後よりも悲惨な状況
私はイベント運営会社の下請けとして、データベースの作成や簡単なシステム作成をしています。仕事内容は事務職に近く、月収はだいたい20万円前後。でも、2月に入ってからはイベントのキャンセルが続き、3月以降の仕事もすべてなくなりました。発注元は企業イベントなどを扱っているからか、新型コロナへの警戒心が強く、エンタメ系のイベントよりも中止の判断が早かったのかもしれません。
もっと事前に連絡をしてくれたら、短期でもなんでも仕事が探せたのですが、直前にキャンセルが続いてしまい、イベント後の作業時間も含めてスケジュールがすべて空いている状況です。東日本大震災のときも同じ仕事をしていましたが、当時よりも悲惨です……。
新型コロナが話題になりはじめた時期に、一度発注元に連絡をしてみたら「こちらも混乱していて、また分かり次第連絡します」と言われてしまいました。入金についてなんて、とても訊ける雰囲気ではなかったですね。この先どうなるかわからないので、食費をかなり切り詰めて生活しています。みんな「外出を控えよう」とか言ってますけど、お金のことを考えると外出なんてできませんよ。