1ページ目から読む
2/2ページ目

銀行に行くと鼻で笑われた

 当面の生活費を工面するために、いろいろなところに頭を下げてお金を借りました。一番頭を抱えているのが、私立大学に通う娘の学費です。来月には前期の学費を納入しなければならないのですが、どのように工面すればいいのか、まったく目途が立っていません。

©iStock.com

 また、小学校休校で仕事を休んだ場合、収入減を補填する助成金が支払われるそうですが、大学生の子どもは対象外。正直、この政策にはイラッとしました。子どもは大きいほうがお金がかかるんですよ。

 それに、助成金の対象者には、共働きだったり、正社員で福利厚生や保障があったり、生活に困っていない人も含まれていますよね。収入や資産に関係なく一律にお金をばらまくやり方は、救済措置とは言えないと思います。イギリスのように所得税の納付期限を延ばしたり、家賃を補助したりなど、個人の状況に合った援助が必要じゃないでしょうか。

ADVERTISEMENT

 新型コロナの影響が出はじめた頃、銀行にも相談に行ったんです。でも、まったく相手にされませんでした。

©iStock.com

「どれくらいの被害が出ていますか? 数百万円必要ですか?」

「いえ、そんな大きな額ではなく、今すぐお金が必要で10万円くらいでもお借りしたくて……」

「事業資金を援助するためのものなので、目先の生活費ということならムリですね」

 そう言われた後、鼻で笑われたんです。たしかに、従業員を抱える中小企業の社長さんのほうが会社を維持するために大きなお金が必要だし、大変なのはわかります。でも、私のように明日の生活費に困っている個人事業主の現状は伝わりにくくて、とてもツラいです。

 政府や自治体には頼れない、と思っていたのですが、先日発表された「生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金等の特例」の対象になり、10万円以内の無利子無担保の貸付を受けることができるかもしれないことが分かりました。もうすぐ相談受付が始まるので、申請してみるつもりです。

 新型コロナの収束も全然見えないし、まだまだイベントの自粛ムードは続きそうで、とても不安です。でも、私よりも苦しんでいる人をたくさんネットで見かけるし、困っているのは私だけじゃないと思うとやるせない気持ちです。