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生活苦から「パパを紹介してください」 

──他店はどうでしょうか。やっぱり休業する店が増えているんですか? 

モフ男さん 今日(4月1日)あたりから営業をやめる店が増えていますね。大箱のキャバクラは、女の子が1日に20人ほど出勤するので、人件費もかなりの金額になります。街自体に人がいないのに店を開けても、20人分の人件費が出ていくだけです。お客さんが来る見込みがないなら閉めたほうがいい。

 知り合いが経営するガールズバーには、先を見据えて休業ではなく閉店するところも出てきています。この状況があと半年続くなら、傷が浅いうちに店自体を売ってしまおうという判断です。 

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──キャバクラなどの夜の仕事や風俗は、生活が苦しい女性のセーフティーネットとなってきた部分もあると思うのですが、それも機能しなくなると本当に生活が破綻します。 

モフ男さん ある女の子には「パパを紹介してください」と言われました。今月はなんとか家賃を払えても、来月分は払えない。今月どうやって生きていくか、明日のお金をどうするか、それくらい切羽詰っていて、非常に深刻な状態です。店を休むと僕自身の生活も苦しくなりますが、1〜2カ月は耐えられます。しかし、彼女たちは無理なんですよ。 

©iStock.com

──だからこそ、本来なら政府による救済・補償がとても重要になるわけですが……。 

モフ男さん アメリカの補償政策を見るとすごく手厚いですよね。年収約825万円以下の大人1人につき現金約13万円、子ども1人につき約5万5000円を直接支給し、さらに失業給付を自営業やフリーランスにも適用するそうです。4人家族なら約37万円もらえる計算です。日本とは全然レベルが違います。

 しかも、日本は給付に条件をつけ、誰に対しても補償をするわけではありません。いまもっとも重要なのはスピード感だと思います。明日のお金に困っている人たちがいるんです。政府にはそこをもっとよく考えてもらいたいですね。