東京都新宿区内では、3月後半から新型コロナウイルスへの感染者が急増。その中には歌舞伎町の夜間営業の店の従業員が目立つことが報じられた。新型コロナの影響でサービス業は軒並み売上を落とし、「密閉・密集・密接」の3密を避けるよう要請が出されているなかで、女性が食事やデートに付き合う対価として、男性から金銭を受け取る「パパ活」市場も自粛を余儀なくされているのだろうか。新型コロナ騒動下のパパ活事情について、パパ活女性とパパ側男性、双方に話を聞いた。(取材・文=藤野ゆり/清談社)

「3月の収入はゼロ」 パパ活女性の焦り

「収入は激減しています」と嘆くのは、エステティシャンとして都内のサロンに勤務する佐藤香織さん(仮名・26歳)。顔は整っているが化粧っ気はない。佐藤さんから語られる「パパ活」は素朴な印象の彼女とはギャップがあった。

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佐藤香織さん ©︎藤野ゆり/清談社

――パパ活を始めた経緯を教えてください。

佐藤 大学3年生の時に都内のラウンジでバイトしていて、仲良くなったお客さんに「月20万円払う」とパパ活を持ちかけられたのがきっかけでした。最初は「そんなことはできない」とお断りしていたんですけど……。

――そこからパパ活にのめり込むようになったのは、なぜですか?

佐藤 やっぱり周りの子がやっていたのが大きかったですね。まだ「パパ活」っていう言葉が浸透していなかった時期でしたが、既にラウンジにも大学にもパパ活女子はたくさんいました。清楚で一見地味に見える女の子も普通にやっていましたね。こう言うと「そんなわけない」って男性には絶対信じてもらえないですが(笑)。

©︎藤野ゆり/清談社

――パパ活を始めて、生活にはどんな変化がありましたか。

佐藤 あまり深く考えずに、10万前後のブランド品をバンバン買えるようになりました。別に実家が貧乏というわけでもなく普通の中流家庭なので、特に不自由は感じていなかったけど、学生では稼げる額にも限度があります。高級な鉄板焼やお寿司屋さんに連れていってもらったり、パパに連れられて有名企業の社長さんが集まる飲み会にも顔を出すようになって、そこでまた新しいパパを見つけたり、人脈も一気に広がりました。パーティーでパパに斡旋してもらって就職先を見つける子もけっこういました。パパ活で稼ぐのが簡単すぎて、就職してもやめられず今に至ります。

――そんな華やかな生活が、コロナの影響で一変した?

佐藤 そうですね。まだ1~2月は「コロナ騒ぎすぎだよね」なんて笑って、デートしてたんです。危機感を持ち始めたのは3月に入ってから。いま固定で月10万円くれる方が2人いるのですが「しばらく会うのはやめよう」とほぼ同時期に2人から言われてしまいました。基本は毎月末にその月の「お手当」を手渡しでいただくんですけど、3月は1回も会えなかったので収入ゼロです。