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欧州では「戦時を想定した法律」に基づく強硬策がとれる
もちろん、欧州に歴史的経緯があるなら、日本にもある。欧州の強硬策はことごとく戦時を想定した法律に基づく。だが、日本の有事法制のなかで疫病対策に援用できそうな規定は見当たらない。戦争を忌避する歴史的な経験から、強硬策のオプションがそもそも奪われているのだ。
新型インフルエンザ等特措法も3月にせっかく改正されたのに、行動制限への罰則は盛り込まれないまま。それで「ロックダウン」「緊急事態」といっても求められるのは自粛に過ぎないのだから、ある意味、生産力を増強しきれず需要の縮減を試みるため「欲しがりません、勝つまでは」を国民に求めた歴史に即してはいる。
一歩間違えば中国、欧州と同じ修羅に足を踏み入れるのは政府の専門家会議の指摘を待つまでもない。頼れるのは政府よりも自分、というのはいかにも寂しいが。