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「スタジオ収録・ロケ取材停止」でテレビはどうなる?

 厳しい状況が続くが、冒頭で紹介した大型情報番組を担当する制作会社勤務の若手AD(20代・女性)は「いまだからこそ、やりがいを感じる」と話す。

「やはり休校措置やテレワークなどで外出を控えている人が増えているせいか、番組の放送中にSNSでエゴサーチをしているといつも以上に反響が多くなっているんです。特にいつもは少ない若者の意見や感想を見たときに、やりがいを感じる。こんな時だからこそ、視聴者に情報を届けたいなと」

 実際に一部の報道番組や情報番組では、新型コロナウイルスの影響からか2月末から少しずつ視聴率の上昇が見られる。『NHKニュースウォッチ9』は、安倍首相による全国の小中学校へ向けた休校要請が出される直前(2月17日〜23日)の番組平均世帯視聴率が12.4%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)だったのに対して、最新の3月23日〜29日は17.9%(同)と、5.5%も上がっていた。

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3月30日から放送が始まっていたNHKの連続テレビ小説『エール』も大河ドラマ『麒麟がくる』と同様に、4月1日以降に予定していた収録を当面見合わせる ©共同通信社

 さらに、一部の番組では出演者が自宅からテレワーク出演を敢行するなどの対策がされていたが、各局がこぞって「スタジオ収録・ロケ取材停止」の決断を下した。これによる影響は今後どうなっていくのか。

「担当する情報番組では、会社からの発表前から総集編の準備が始まっていました。僕も自分が担当するコーナーの出演者の皆さんにお話をして作業を進めていて、とりあえずはそれで編成をすることになると思います。番組によっては、未公開映像なども使うかもしれません」(前述の制作会社勤務/20代・男性)

 TBSは、5日から初回放送がスタートするはずだった日曜劇場『半沢直樹』に代わって、過去作の再編集版を放送している。SNSでは、テレビ局に再放送して欲しい過去の名作ドラマを投稿するハッシュタグ「#再放送希望ドラマ」も話題になっている。

 報道によると、政府が検討している「非常事態宣言」の期間は1ヶ月。その後もしばらくは混乱が続くと予想できる。テレビ業界はこの難局を乗り切ることが出来るだろうか。

4月5日に初回放送を予定していた『半沢直樹』(TBS)も延期を発表。19日まで3週連続、池井戸潤原作の『下町ロケット』の特別編集編を放送することを決定している(公式HPより)