買い物に行けなくなったご婦人方が「封鎖を解け」
そのうち、マンションの住人たちがしびれをきらし、玄関をバリケード的なもので封鎖されたお陰で近所に買い物に行けなくなったマンションにお住まいのご婦人方が「封鎖を解け」と騒ぎ始めます。封鎖しているおっさんもちょっとぐらい開けてやればいいのに頑として封鎖を解かず、怒ったおばさん方と頑固なおじさん方の間で無事に揉め事に発展。
騒動はおばさん方の完全勝利に終わり、封鎖が解かれた後にスーパーで当の看護師さんがたまたま買い物しているところにおばさん方と合流し、何も問題なく買い物を終えてたくさんのトイレットペーパーを両手に持ちマンションのお部屋にお帰りになられました。
結局、その看護師さんも陽性ではなかったようです。お前ら何してんだよ。「あの半日間の騒動は何だったのだろう」とマンション管理組合から事後報告された私の頭の上には、いつまでも疑問符が浮かんでいました。
もうここまでコロナウイルスの疑い患者さんが増えてしまうと、もはや犯人探しがどうとか噂話で誰が担ぎ込まれたとか、どこで咳してたとかいう話も吹っ飛んで、みんな大人しくお家でテレビでも見て筋トレしてろという話になるのであります。
家柄として誰一人としてワクチンを受けさせていない
「身の回りにコロナウイルスの感染者がいるかもしれない」という恐怖は、時として人を本当に狂わせてしまうようなのです。
実家近くでEM菌だんごという汚物を川に投げ込んでいたご婦人がおられるのですが、家柄として誰一人としてワクチンを受けさせていないという「反ワクチン一家」であると自認しておられます。自称・自然派だそうですが、それは単にこの人たちの脳みそが真っ白だという意味で自然であるだけではないでしょうか。その欠乏した知性に対して深くお悔やみを申し上げるほかありません。
もはや反ワクチンは反科学・反知性を教典とするある種の宗教のようにすら感じますし、そういう話を聞きますと私も率直に申し上げて「こいつら馬鹿だなあ」と心から思います。
過去何度も顔を合わせておりますが、こちらからは一切公衆衛生やワクチンの話をしないのに、先方からそのようなワクチン関連の話が振られたときは遠慮なく「まことに恐縮ではございますが、ワクチンもなさらない貴女のような馬鹿の話はお伺いしたくはございません」とお伝えしています。また、タイトルからして現代医学に破門状を突き付けるかのようなスーパー反ワクチン本をこのご婦人自らが出版しておられます。どういう理由かご玉稿を私どものポストにもご恵投賜っていたのですが、丁寧に梱包を開けてビニール袋に入ったままゴミ箱に投入させていただきました。本当にありがとうございました。
お陰ですっかり私はご婦人から嫌われているのですが、そんな反ワクチンのご婦人がダイレクトに私の携帯電話に連絡をしてこられ、急に何を言うかと思えば「BCGワクチンはどこで打てるんですの」。