外務省時代にも環境問題に取り組まれていた雅子さま
陛下は、皇太子時代からご関心の高いテーマとして「水問題」を挙げられてきたが、それはオックスフォード大学のマートンカレッジで研究された「水運」から始まり、今では水から派生した歴史や教育、衛生、水害、環境などといった分野にまでご関心を広げられている。
実は、雅子さまも外務省時代に環境問題に関するルール作りの担当者として活躍してきたことから、環境問題にはご関心が高いと言われている。
「皇室入りされてからの雅子さまのご関心は、環境問題から生じる貧困や教育などにも広がっているようで、前々からご関心のある福祉の分野とつながるので一層興味を持たれるのかもしれません。ご家庭でも、グローバルな環境問題や世界各地の歴史的背景などを陛下とお話しなさることが多いようです。陛下のご研究にも熱心に耳を傾けられることで、新しい世界が広がることはご快復に繋がっているように見えます」(雅子さまの同級生)
愛子さまが大学で日本語を学ばれる理由
こうした両陛下のご公務に対する姿勢や、しばしば問題にされてきた「公と私」に対する両陛下の考え方について、「天皇皇后と愛子さま 令和流『ONE TEAM』」(「文藝春秋」4月号)で記した。
記事の中で、この春に学習院大学文学部日本語日本文学科に入学される愛子内親王殿下のご教育にも触れたのは、陛下の考え方の根本的なところがよくわかるからだ。
「私どもは、やはり、私人として過ごす時にも自分たちの立場を完全に離れることはできません」という平成流の天皇家に対し、今の陛下はかつて、「私は家族を思うことと、それから国や社会に尽くすということ、これは両立することだと思います」というお考えを表明されていた。
陛下はお立場から、常にご自身の感情をコントロールされ、「相手を急がせない、ご自分も急がない」という姿勢を断固として貫かれてきた。病気でご療養中の雅子さまも、さまざまな批判を受けながらご公務をやり遂げてこられたのは、陛下のこうした姿勢に救われてきたからだ。
そのご姿勢は愛子さまの教育に関しても一貫していて、幼少の頃からまず愛子さまがご興味を示されたものを尊重されてこられた。そのひとつが日本語だった。言葉遊びから始まり、言葉の成り立ち、類語などをご一緒に遊びながら愛子さまは覚えていかれた。自発的に取り組まれてきたからこそ続けられる。愛子さまが大学でも日本語を学ばれる背景には、自主性を重んじた家庭教育の基盤がある。
両陛下がそれぞれの誕生日で言及された「ONE TEAM」。令和元年を象徴する言葉は、新しい天皇家の姿にも当てはまるのかもしれない。
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天皇皇后と愛子さま 令和流「ONE TEAM」