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「海外みたいに人がいなくなったら納得するんですけど」
歌舞伎町の入口近くで、友人と缶チューハイで乾杯していた男性はこう話した。
「緊急事態宣言っていっても、これまでも控えていたし、何が変わるかよくわかんないですね。店の明かりが全部消えて、海外みたいに人がいなくなったら納得するんですけど、まだ店もやってるし、人も歩いているから。明日から仕事もほとんどなくなる。これから何すればいいのか不安ですよ」(20代・会社員男性)
歌舞伎町のゲートをくぐると、飲食店やガールズバー、風俗店の客引きがいつもと変わらず通行人に声を掛けていた。電柱などに設置されたスピーカーからは「客引き行為禁止」のアナウンスが大音量で鳴り響き、安倍首相の演説はかき消されている。安部首相は会見で、ナイトクラブやカラオケ店への出入りを控えるよう要請していた。
だが、客引きたちには、まだ緊急事態の深刻さが響いていないようだった。
「客がどうなろうと知ったことじゃない」
「我々は今日明日をどう生きていくかですからね。国が何かしてくれるとしても先の話でしょ? 保証の手続きもよくわかんないしね。歌舞伎町はコロナで人が随分減ったけど、自粛の罰則はないし、まわりの店を見ながらまだやります」(40代・カラオケ店客引き男性)
「キャバクラや風俗はコロナの関係で閉め始めているけど、それでもやるところはもうしばらくはやるんじゃないかな。俺はフリー(の客引き)だから居酒屋でもガールズバーでも案内すれば売り上げの10%がバックされる。客がどうなろうと知ったことじゃない。1人でもお客さんがいれば頑張るよ。コロナ? 周りでもそれらしい症状の人は出ているけど、歌舞伎町で育って免疫あるから」(30代・客引き男性)