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 歌舞伎町の雑居ビルにある「出会いカフェ」。店内は男性用、女性用に部屋がわかれていて、どちらも密室だ。

 薄暗い8畳ほどの男性ブースでは、カーキ色のジャンパーにスラックス、帽子姿の中年男性と、無精ひげを生やした髪の長いジャージ姿の若者が、マジックミラー越しに女性たちを舐めるよう物色していた。

パパ活目的や「ワリキリ」の相手を探しに

 女性は14名が部屋いっぱいにズラリと並んでいた。スマホをいじったり、化粧直しをしながら連れの女性と談笑したり。備え付けられたテレビでは「緊急事態宣言」関連のニュースが流れているが、誰一人興味を示していなかった。

 出会いカフェには、文字通り異性との出会いを求めて来店する客ももちろんいるが、最近ではパパ活目的や「ワリキリ」という名の援助交際(売春)の相手を探しに来る男女が多いという。

女性でいっぱいだった出会いカフェ ©文藝春秋

「もともとサラリーマンの来店が多かったのですが、国内のコロナウイルスの話題がつよくなった3月から激減しました。風俗と同じで会社や家庭にバレたら怖いみたいで。まれに会社用のGPS携帯を自宅に置いて遊びに来るツワモノもいますが、今ではほとんどが自営業の常連さんや若者。それでもお客は減りました。逆に女の子は増えて、店が休業したキャバクラ嬢や風俗嬢、稼げない子が“ワリキリ”目的でガンガン来ています」(出会いカフェ従業員)

 取材班は、出会いカフェに出入りしていた2名の女性に話を聞いた。記者はマスクを着用し、屋外で一定の距離を空けてインタビューをした。

バイトにも出られず、実家からは「帰ってくるな」

「居酒屋のバイトをしていたけど今月からまったくバイトに出られなくて、生活費とか、お金がないから来ちゃいました。うちは3人姉妹で下に2人の妹がいて、親は援助できないだろうから。福岡が実家なんですけど、『ばあちゃんにコロナうつされると嫌だから帰ってくるな』と言われています。

緊急事態宣言の夜、出会いカフェに来ていたA子さん ©文藝春秋

 コロナも怖いですけど、(援助交際の相手と)ご飯食べるのとホテル行くのもリスクは一緒だと思うんです。なんならキャバクラとかでカラオケとかするのが一番嫌。マイクは不特定の人が握ってるだろうし。(性行為を)するときはゴムしているし、口でするときも付けてます。キスとかは相手もリスクあるからNGで、それで1万~1万5千円。この店(出会いカフェ)にどっぷりとハマると怖いし、バイト先の彼氏にも悪いから1日1人までと決めています」(19歳・女子大生A子)

相場は1人=1万5千円、1日2、3人と

「1年程前、JKリフレをしていて、その流れで風俗に行って(コロナで)稼げないからここに来ました。理由は借金かな。コロナも怖いけど、彼がホストで30万円ほど売り掛け(ツケ)が溜まっていて、返さないと迷惑かけるから。相場は1人=1万5千円。1日2、3人と(援助交際)しています。本当はもっと欲しいけど、コロナ以降、女の子が増えて値段が下がりました。彼の売り上げの締め日が近づいた月末は1万円でも我慢しました。出会いカフェで声がかかるまでは出会い系サイトも併用していて、今日は夕方にサイトでおじさん1人引っ掛けてきた」(19歳・女子大生B子)

緊急事態宣言の夜、出会いカフェに来ていたB子さん ©文藝春秋

 B子はこの日も、彼が働くホストクラブへ客として行くという。

 海外のメディアは緊急事態宣言のタイミングが遅れたことや、罰則や強制力がないことについて懐疑的な見方を伝えている。やはり”要請”の限界はこのあたりにあるのかもしれない。

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