腕組みやハグは数千円単位
《上から目線の方、横柄な方はご遠慮下さい》と最後に付け加えることで、いざ、さまざまな行為に応じることに躊躇を感じた場合に断れる予防線も張っている。
なかにはさらに「ライト」な内容に限定し、腕組みやハグなどを数千円単位で「売る」女性もいる。
春を売る対価は金銭だけではない。ご丁寧にも、自分がほしい化粧品や食料などの商品リストをネット通販サイトのアマゾン上に公開して物乞い行為まで行っている。わずか数百円の美容液どころかペットボトルのアイスコーヒーまである。
こうした女性に対し、客がメッセージを送り、「サービス」を受ける。女性の評価専門のツイッターアカウントや、金だけ取られた詐欺行為を告発するアカウントなど、「プチ援助交際」を取り巻く生態系もできあがっている。売るのも買うのも違法行為。当事者による自警行為でしか安心を担保できないのだろう。
かつて、こうした売春も物乞い行為も路上か、あるいはネット上でも2ちゃんねるなど特定のユーザーしか利用しない場で行われてきた。だが、いまや振り込め詐欺などの特殊詐欺の要員までがツイッターで募集されている。
捜査関係者はこう分析する。
「受け子、出し子、掛け子。警察が組織をあげて取り締まりを強化したことで、従来は口コミで補充していた犯罪グループの末端要員が足りなくなってきたのだろう。残念ながら、それだけ、まだ詐欺への需要がある、ということでもあるが……」
《#闇バイト#即金#手渡し#運び#野菜#手押し》?
ツイッターで常に一定量のツイートがあるのが、こうした「闇バイト」だ。
《都内で2人ぐらいスグ動ける人いませんか? 1~2時間で10ぐらいならお支払い可能です #裏バイト#闇バイト#即金#即日#手渡し#運び#野菜#手押し》
隠語の目白押しだが、「野菜」は「大麻」、「手押し」は「手渡し」、「運び」は「デリバリー」を意味する。要は大麻の運び屋を10万円で募集しているのだ。他にも取引が禁じられた希少生物など、運ぶ対象にタブーはない。
ちなみに「受け」は振り込め詐欺などの特殊詐欺の「受け子」、「出し」は「出し子」で、こちらも「人気」のある職種だ。過去に、この手法で募集された受け子、出し子の例も枚挙に暇がない。