4月9日から5月6日までの約1カ月間、子どもに保育園を休ませることにした。理由はもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大を少しでも防ぐためだ。

 2歳半の息子が通っているのは、東京23区外にある認可保育園。園からはこれまでに、何度かお願いがあった。

※写真はイメージです ©︎iStock.com

ベランダから保育士さんに子どもを受け渡し

 はじまりは、市内小中学校が一斉休校となった3月2日。送り迎えをする保護者を園内に極力入れないようにする措置が取られたことだった。具体的には、園に入るときは手を消毒し、ベランダから保育士さんに子どもを受け渡すという、丸投げスタイルになった。

ADVERTISEMENT

 それまでは親たちが子どもの在籍する教室まで入り、布団カバーやおむつをセットしていたので、どんなに短くても3分くらいは「3密」になっていた。親同士がバッティングすることはしょっちゅうで、そこで会話がはじまることも多々ある。

 園としては、そういった接触機会を絶ち、親がウイルスを持ち込まぬよう、3密状態をなるべく作り出さぬよう苦慮の末の対応だったと思う。

©︎iStock.com

被害を被ったのは、人手の足りなくなった保育現場

 また、感染に不安を覚える家庭は子どもを登園させないことをおすすめすること、健康管理を徹底し、子どもが37.5℃以上の発熱があったり呼吸器症状が思わしくない場合はお休みしてください、というお願いもあった。

 この間、もっとも被害を被ったのは保育士さんだろう。普段は親がやる細々としたセッティングや子の受け渡しを一手に引き受けなくてはならないのに、小中学校に通う子どもを持つ保育士は通常の勤務ができなくなるなど、「人員手薄But業務増」でてんてこ舞い、というように見えた。

 そんな変化はありながらも、ニュースや町中の物々しい雰囲気とは裏腹に、「ここは時空がねじれているのかな?」と思ってしまうほど、保育園は「いつもどおり」を保ってくれていた。

 同じクラスの園児たちもみな登園していたことを考えると、我が家を含め、親たちが登園を自粛している雰囲気はほとんどなかった。