コロナショック下で奮闘するレジャーホテルを見てきたが、そうはいってもレジャーホテル経営者の悩みは多い。スタッフには主婦も目立つが、子どもの休校の影響で出勤できないスタッフもいる。また、実際に売り上げが減少している施設などでも、レジャーホテル(※4号ホテル)特有の法令制限もあり、IT化やキャッシュレス決済など各種補助金が得られない環境に加えて、助成金が使えないケースもあり、雇用継続の難易度も高いという(※4号ホテルについては「進化型ラブホテル」が一般ホテルの先を行く理由」で解説している)。
自らもレジャーホテルを経営しつつ中小企業診断士としても活躍する、バルシア インベストメント&コンサルティング株式会社代表の細田悠太氏は「今回のような事態においても融資で保証協会がつかえない等、他業種に比べ環境が著しく不利な業界」と指摘する。また「今般の緊急事態において、陳情により一時的に雇用関係助成金の活用はできるようになったが、恒常的に認められたわけではない」と話す。
さらに「新法ホテル(風営法下のホテルではないレジャーホテル)にもかかわらずレジャーホテルという括りで融資が受けられないというような、金融機関独自の判断がなされるケースも多い」とし、「レジャーホテル運営企業の健全化を推進していく上でも、社会インフラに貢献していく上でも、このような助成金・補助金や融資を活用できず、結果的にそこへ投資できないなど歯がゆい思いをしている経営者は多いのではないか」と話す。
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コロナショックとレジャーホテルの今について見てきたが、さすがに4月は影響が大きいのではないかという経営者は多い。それでも通常の50~60パーセントという声は多く、一般ホテルに比べるとレジャーホテルの数字は落ちにくいと見られている。無論、全てのレジャーホテルに当てはまるわけではないが、ターゲティングを明確にしつつ付加価値を創出、リピーターに支えられてきたホテルの強さを、あらためて思い知らされた。
写真=瀧澤信秋