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“ある需要”は減ったが“一般的需要”が増えた?

「“ある需要”が10パーセントほど減少したものの、“一般的な需要”がそれを上回った」と同ホテルでは分析する。減少した“ある需要”とはデリバリーヘルスをはじめとする派遣型風俗利用の需要のことだ。それを上回った“一般的需要”とは風俗以外の“カップルズユース”を指す。

 人間は生命が脅かされるなど危機的な環境に置かれると、自分の子孫を残そうとするとされるが、「コロナ危機ともいえる状況下でレジャーホテル需要と大きな関係があるのではないか」と分析するレジャーホテル経営者もいる。

ラグジュアリー感を打ち出す施設も増えている ※本文とは関係ありません

 これはビジネスホテルの話だが、コロナショックの取材をすすめていたところ、興味深い話を聞いた。郊外のターミナル駅前にある人気ホテルだが、他のホテルに違わず稼働は低調、主要な顧客層であった出張族の利用も大きく減少した。サラリーマン利用は期待できない。そこで、週末を中心に当日限定のお得プランを打ち出したところ、若者のカップルズユースが顕著になったという。

レジャーホテルは「稼働率」より「1部屋あたりの売り上げ」

 ところで、先ほどから一般ホテルの「稼働率」という指標を出しているが、レジャーホテルにとって稼働率という数字はあまり意味がない。日中から夜半にかけての休憩利用2回転に加えて宿泊利用と、同じ客室が1日3回転することもある業態なので、「稼働率」より「客室の売り上げ」が大切な指標となる。たとえば「○月は“ルーム○○円”の売り上げ」という数字がレジャーホテルの実力を測る指標となる。

 もちろん立地や諸条件にもよるが、先述した前年比プラスへ転じたホテルは“3月ルーム120万円”に迫る業績だったという。1日あたり約4万円。それも都心部ではなく地方の中規模都市にある郊外型ホテルだ。同都市には駅周辺に“高級”といわれるホテルはいくつかあるが、このご時世で料金は大幅下落、1万円以下という料金も目にする。いま1泊4万円といえば、都心の外資系ラグジュアリーホテルにも匹敵する料金だ。

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 都市部と郊外にグループで展開する別のレジャーホテル運営会社を取材したところ、コロナショック以降、都市部の施設は振るわず、やはり郊外が好調という。もちろん外出自粛下でおすすめはできないが、“お籠もり”という点でもレジャーホテル需要は高まっている。なかなか公にはされないが、レジャーホテルを経営する会社が一般ホテルも運営(別会社などで)しているケースは意外に多い。リスクヘッジという点からも、今回のコロナショック下でどのような実績を残すのか注視したい。