4.サピエンス全史 上・下
なぜホモ・サピエンスだけが繁栄したのか? この壮大な問いへの解答を求め、現生人類数百万年の歴史を振り返る。社会史、政治史、経済史を縦横無尽に総覧し、現代の人類が直面する未来の文明の姿を予言する。
○R-40ここがおすすめ!
「優れている者が栄えるのではないことに気付くだけで、違う世界が見えてくる」(ジュンク堂書店三宮店・朝野道則)
「知は塗り替えられるもので、人類の歴史を捉え直すことに成功した本書は、過去だけではなく、未来へとつながる名著として読み継がれることだろう」(萬松堂・中山英)
5.魂でもいいから、そばにいて
3・11の被災地に足を運び続けるノンフィクション作家は、愛する人を失った人々の話に耳を傾ける。喪失感に打ちひしがれる人のもとに現れた今はなきあの人は何を語り何を残すのか。奇跡の秘話が明かされる。
○R-40ここがおすすめ!
「不可思議な体験をした人にとっては紛れもない事実。ただそれだけでいい」(丸善日本橋店・松橋由紀子)
「震災で多くの方が遭遇した霊体験を好奇心でもいいから読んで欲しい。ここには人間の根源的なものが刻まれている。それにただ揺さぶられる」(丸善ラゾーナ川崎店・小川英則)
○R-40 こちらもぜひ!
ペーター・ヴォールレーベン『樹木たちの知られざる生活』「植物を目にしない1日はないと思います。この本を読むと生活はより充実します」(西沢書店北店店長・松本照実)。小川さやか『「その日暮らし」の人類学』「中長期的だとか言う目標や計画にうんざりしたときの希望となる1冊」(長崎次郎書店・齊藤仁昭)。
(コラム)R-40 企み力
生き方を変えたくて、自分の本屋を作った Title店主・辻山良雄
「生き方を変えたいな、と思ったのが一番の理由です」
2015年、東京の文化を彩った大型書店リブロ池袋本店が閉店した。時を同じくして、サラリーマン書店員の生活を辞したのが辻山良雄さん。他店に移る選択肢を断っての決断だった。
「会社員やっていると、『ああ次はここに移るな』とか『このコースか』なんて先が見えてくることありますよね。なんだかそれが無性に嫌になって、会社を辞めちゃいましたね」
期するもの――自分で本屋をはじめます――があった。一連の山あり谷ありの顛末を綴ったのが、『本屋、はじめました』だ。
「やっぱり物を書くとなると、SNSで情報発信するのとは違いますね。後者には気軽さがあってもちろん良いことなんですが、それとは別の側面として本を書いて読んでもらうというのは、それなりにずっしりと重いことなんだなと感じます」
R-40大賞のアンケートでも多くの票を獲得。身一つで新しく書店をはじめた辻山さんには、同業者から多くの支持が集まる。
「書いてよかったなと思いますが、自著を売るというのはやっぱり変な、不思議な気分でして。オンラインで自分の本のご注文をいただいたときは、発送確認のメールがいつも以上に丁寧になったりしますね(笑)」
昨年1月にオープンした辻山さんの城は、かつての職場の50分の1の広さ。だからこそ、細部にまで目が届く。
「責任と自由、なによりやり甲斐があります。書店というのが自分で仕入れて売る、小売業なんだとあらためて思えます。接客業として、お客さんひとりひとりと開かれたコミュニケーションをとれるのは何より嬉しいことですね」