男優歴22年、出演作品1万本超え。さらに、数多くの雑誌連載やテレビ出演をこなすしみけんが「仕事論」をテーマに一冊の本を書き下ろした。

 AV男優としてトップクラスの活躍を続ける著者の考える「仕事論」はいったいどんなものだろう。前編の今回は、しみけんがこれまでに経験した現場の数々を『AV男優しみけん仕事論0.01 極薄!』(扶桑社新書)より引用し、紹介する。

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AVの撮影が行われるスタジオはどこにある?

 さて、そんなこんなで今日もどこかで撮影されているAV。

 皆さんはAVがどこで撮影されているか知っていますか? AVを撮るスタジオは東京都内に集中していることが多く、その数は200を超えると言われています。

 その中で最も有名なのは、「例のプール」と言われるスタジオではないでしょうか。最近では、大宮にも新たにプールスタジオができましたが、まだまだ「例のプール」に知名度は及びません。大宮のほうは「じゃないプール」と呼ばれていたりします。

 また、「例のプール」ならぬ「例のコンビニ」と呼ばれる環七マルチスタジオというスタジオも存在します。ここは、普通のコンビニのようにカップラーメンやお菓子が棚に並んでおり、雑誌コーナーもあれば、会計カウンターにはちゃんとレジも置かれています。

©扶桑社

 ただよく見ると、「マスターカード」の表示は「マスターベーション」にアレンジされているし、売られている雑誌は『ジャンプ』が『ジャンボ』に、『フライデー』が『マンデー』になっていたりと、芸がこまかいんです!

 千葉の木更津にあるスタジオは森に囲まれているので、野外露出作品の撮影をする際によく使われます。今まで僕も「全裸サッカー」や「全裸野球」といったAVで、裸でかけずり回っていました。ただこのスタジオ、むちゃくちゃ寒いんです。なので、僕はこのスタジオにはあまりいい思い出がありません(苦笑)。また、昨年の台風で木更津のスタジオの壁が崩れたため、業界全体で野外露出系作品の撮影がいったん中止という状況に陥りました(今は復活しています)。

©扶桑社

 かつて東京の小竹向原にあったスタジオは、淫靡な雰囲気でよく行っていましたが、気をつけなければいけないのが、シャワーの水圧が異常に強く、まるでウォーターカッターのよう。お風呂に入るといつも亀頭が持っていかれそうになったものです。

 一軒家やマンションの一室がスタジオになる場合もあります。一般人の住居を紹介業者が間に入り貸し出してくれるサービスがあるので、それを利用して普通の一人暮らしの部屋を女優の部屋と称し撮影する場合があります。一般の女の子の部屋での撮影ともなると、男優のテンションはもちろん爆上がりです。