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 自粛ムードが浸透してきたとはいえ、夜の繁華街を歩く若者グループも目に留まる。現場の警察では、どのような対応を取っているのか。

「外出はあくまで禁止ではなく自粛。緊急事態宣言にも強制力はないため、パトロールする警察官には『緊急事態宣言はご存知ですね。帰宅しましょう』と丁寧に呼びかけて、不要なトラブルを避けるように、と指導している。街にでるにしても、『警察官からコロナに感染させられた』などという苦情が寄せられたら最悪。地域住民と接する時はマスクを着用して距離を置くように徹底している」(同前)

「不要不急の逮捕」は先送り?

 警察官本人への感染拡大も懸念されている。

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 首都圏のある警察署では、ある日の夕方、「勤務終了後も署員は全員待機」との指示が下った。署員の間では「何事か」と憶測が流れたが、一人の刑事が新型コロナウイルスに感染したことが全署員に告げられたという。刑事課所属や同じ当直班に勤務していた数十人が自宅待機となり、本部から応援部隊が派遣されることになった。

一般参加部門を中止した今年の東京マラソンを警備するマスク姿の警察官(3月1日) ©時事通信社

 警察の中で刑事部門と言えば、殺人や強盗、窃盗、詐欺などのほか暴力団の犯罪捜査など守備範囲は広い。いま自宅待機中の同署刑事課の若手捜査員は、次のように打ち明ける。

「急に自宅待機になったため、捜査員は応援部隊に大急ぎで捜査書類を引継ぎ、その後も電話で捜査の現状を説明して後任に事件を託しました。いまは自宅で事件の資料を作成するほか、普段はなかなか出来ない刑法や刑事訴訟法の勉強をしています」

 今後、危惧されるのは逮捕すべき容疑者が感染していた場合などの不測の事態だ。

 この若手捜査員は、「殺人、強盗などの凶悪犯であれば、たとえ犯人がコロナに感染していようとも関係なく逮捕する」と強調する。一方で、首都圏の警察本部の刑事部門の幹部は、次のように語る。

「容疑者の現行犯や緊急逮捕は別として、コロナ感染が拡大しているこの状況下で、すでに事件の全体像が明らかになっていて内偵捜査を進めている案件など不要不急な逮捕はしない。証拠隠滅や逃走を図ろうとしていれば別な話だが」