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「マスク1円セール」の日に起きた大阪・西成スーパー傷害事件《犯人の意外すぎる動機》

genre : ニュース, 社会

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「アベノマスク」の配布が開始された4月17日、大阪市西成区にある「スーパー玉出(たまで)天下茶屋店」の店先で客の男が男性店員を刃物で切りつける傷害事件が起きた。この日、同店では「マスクの特売セール」が行われており、「マスク不足がもたらした事件か」とネットは騒然。男は逃走している。「文春オンライン」特集班が現地を取材した。

現場となった「スーパー玉出 天下茶屋店」 ©文藝春秋

1000円以上お買い上げで「マスク2枚が1円」

 スーパー玉出の広報担当者が話す。

「1円セールは日頃から、来てくださるお客様への感謝もこめて続けている企画で、たまたま1カ月ぶりにマスクが大量に入荷できたので開催しました。1000円以上お買い上げのお客様に限り2枚のマスクを1円でお売りする企画ですが、枚数も時期も安倍さんのマスクとかぶっていますが、こちらは1週間前から決まっており偶然なんです」

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 低価格の簡易宿泊施設や激安の飲食店が並び、飾らない街として知られる大阪市西成区。現場となった「スーパー玉出」は阪堺電気軌道阪堺線、今池駅に隣接しており、周辺住民や付近の飲食店の支えとなっている。24時間営業し、激安で品数が多いことから「西成のオアシス」と地元住民はいう。

24時間営業で「西成のオアシス」と呼ばれている ©文藝春秋

 事件が起きたのは午前9時、現場に居合わせた品出しの外国人スタッフが話す。

「オキャクサン、イツモヨリ、イッパイダッタ。ハンニン、オコッテイテ、Aサン(被害者の名前)ササレテ、チガ、ドバーットデタ。オマワリサン、イッパイキタヨ」

 被害にあったAさんは73歳、勤務歴15年のベテランスタッフだった。