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飛行機の搭乗時は行列に並ぶな!? あなたが知らない「旅の技術」~出発編

瀧澤信秋(ホテル評論家)×橋賀秀紀(トラベルジャーナリスト)のマニアック旅対談

“旅の常識”から距離を取れ!

瀧澤 私もホテルのチェックイン・アウト時の混雑について何かいいたいんですが、そもそも繁忙期に行かないようにしているんですよね。だってリゾートホテルだったら、お盆の一番高い時と閑散期を比べたら、3~4倍も違うわけじゃないですか。かといって、スタッフが3倍もいるわけじゃないですから。だったら、閑散期に3~4分の1の値段で泊まって、そのぶん充実したサービスを受けたほうがいいですよね?(笑)

橋賀 たしかに(笑)。ですから、旅行をめぐる常識を疑ってほしいんですよね。私たちは知らず知らずのうちに、こうして根強く残ってしまっている旅行の常識にとらわれてしまっている。前編の「準備編」でお伝えした、航空券チケット予約時の「煩悩を捨てろ!」という話もつながってきますよね。みんなハワイに行きたがるし、みんな列に並んで一刻も早くチェックインしたがる。そうしたところから距離をとるとお得に、疲れずに旅ができますよ、ということなんですよね。

瀧澤 本当にそうですよね。現地に着いてからの移動のことでいうと、「(9)空港からホテルへのリムジンバスはルートを考えて乗れ」ですかね。大都市のホテルだったら、ホテルに直行するリムジンバスがあるわけですが、ある程度ルートを考えないといけません。

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橋賀 なぜですか?

瀧澤 というのも、たとえば札幌だと市内にホテルがいくつもあるわけですから、それらを経由していくバスに乗ると、結局90分もかかった、なんてことになってしまいます。市内に入る手前のホテルに泊まる時はバスを使いますが、そうでないときは電車で行ったほうが早いこともある。目的のホテルに着くからと安易にバスを選ぶと、30分くらいロスすることだってありえるんです。よく考えておいたほうがいいポイントですね。

橋賀 ホテル評論家の瀧澤さんには、ぜひホテルのチェックイン時のノウハウを伺いたいです。

瀧澤 確実にいえることは、「(10)ルームチェンジは遠慮するな」ということです。大きくてしかも古いグランドホテルなんかだと、空調がセントラルで部屋ごとの調整がきかない。たとえば札幌に真冬に行くと、暖房が効きすぎて暑くてたまらない、ということが起こりえます。そういう時は、遠慮なく角の部屋があいていないか聞いてみてください。僕は予約時から押さえてしまいますが、壁が外に面している面積が大きい分、暑すぎるということはなくなるはずです。あとは、できれば窓の開閉が可能かどうかは事前に調べておきたいですね。窓の開け閉めができれば、たいていはなんとかなりますから(笑)。

橋賀 飛行機でもホテルでも、リクエストしない人が多すぎですよね。決して先方に無理強いをするわけではなくて、もはや現代は情報戦なんですから、そこでつかんだお得な知識や情報はいかんなく使っていいと思います。

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瀧澤 ホテルの人も、リクエストがあると張り切るし、そのリクエストをかなえられたときに「ありがとう」といわれると、本当にやりがいを感じて嬉しいと聞きます。だからリクエストをすること自体は、遠慮することではないんです。そのぶん、そこで対応してくれた人に、きちんと御礼を伝えるようにしたいですね。

構成/宮田文久

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瀧澤信秋(たきざわのぶあき)/ホテル評論家として利用者目線でホテルのサービス、ホスピタリティなどを精力的に取材。主な著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)など

橋賀秀紀(はしが ひでき)/トラべルジャーナリスト。筑波学院大学非常勤講師。東京都生まれ。著書は『エアライン戦争』(宝島社)など。海外渡航暦は200回以上。

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《ここまでのノウハウまとめ》

準備編
(1)毎日チケットサイトを見よう
(2)煩悩を捨て去れ
(3)空港近くに一泊してホテルのパーキングを使え
(4)ホテルの予約は当日でもいい
(5)新幹線の切符に注目せよ

▽出発編
(6)飛行機の搭乗時は行列に並ぶな、到着時もすぐに席を立つな
(7)飛行機のチェックインはギリギリでもいい
(8)旅行をめぐる常識を疑え
(9)空港からホテル直行のリムジンバスはルートを考えて乗れ
(10)ルームチェンジは遠慮するな

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