1ページ目から読む
2/2ページ目

スワローズの僧侶はあの男だ!

 2015年にリーグ優勝した時のスワローズには、大事な試合後半に沢山の優れた僧侶がいました。それは、バーネット、オンドルセク、秋吉、ロマン、久古の5人。守護神バーネットは防御率1点台、他のメンバーも全員2点台でした。

 これにより攻撃陣は安心して敵の攻撃に専念できます。

 究極の武道家となった山田はHR王、盗塁王含むトリプルスリーを達成。戦士の中の戦士、畠山は打点王。どんなコースでもヒットを盗み取る盗賊、川端は首位打者。そして、魅力溢れるイジられ旅芸人、三輪———。

ADVERTISEMENT

 これらは全て優れた僧侶がいたからだと考えられるのです。

 他球団を見ても、僧侶を並べて少ない攻撃力ながら守りの強化に徹し成功した落合中日。攻撃力の高い戦士をただ並べて失敗した堀内巨人を見れば明らか。

 と考えると、やはり投手力と守備力の強化こそが長い戦いを制するためには必要なのです。

 ここまで読んでみて、「なーんだ、普通の事じゃん」とお思いの方も多いと思いますが、ドラクエ理論で最も大事なのはここから!

 確かに一番大事なのは各キャラクターの強さです。しかし、それと同じぐらい大事なものはそれぞれの装備品。能力の高い剣や盾を鍛冶(かじ)によってさらに能力を高めたり、集めた素材を合成してさらに強い武器や防具を作る事ができるんですが、この鍛冶はとても重要なんです。どれだけレベルが高い戦士でも、装備している武器が【ひのきのぼう】では戦闘には勝てません。最高の装備をする事でその戦士は最強になるのです。

 つまり、野球でいうところのユニフォームはもちろん、グラブやバット等といった備品の質はとても大事であり、それを取り扱ったり修理する裏方さんの力は実は大変に重要であり、そんな裏方さんへの感謝の気持ちを忘れず、突き詰めて突き詰めて最高の備品を追い求める……。

 これ、実はかなり重要な事だと思いませんか。

 自分の能力に驕り、周りへの感謝の気持ちを忘れた者は戦士の顔をした悪魔です。真実を映し出す【ラーの鏡】を使えばそれはいずれ分かる事。ドラクエでも、困っている村人を助ける事で、その村人がビックリするぐらい強い武器をくれることがあるんです。

 とどのつまり、ただ単にレベルだけをあげていても魔王は倒せないということです。

 自分のレベルアップだけではなく、今の自分を支えている周りへの感謝。この感謝の気持ちを全選手がしっかり持って戦う姿を見せてくれること。その姿にいち村人である我々ファンは歓喜し、心の底から魔王を倒してくれと応援する気持ちになれるのですから。

 どうでしたか、私の【プロ野球“ドラクエ理論”】。

 今季の選手を各キャラクターに当てはめながら、開幕まで楽しんでほしいと思います。

 ちなみに、流れかけた文春落語はオンラインでやることになりました。配信で見られるので、「3割バッター落語」に興味のある方はぜひ観てくださいね!

https://bunshunrakugo3.peatix.com/

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム Cリーグ2020」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/37640 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。