文春オンライン
新iPhone SE かつてのお手頃サイズじゃない……それでも「評価できる!」凄いポイントとは

新iPhone SE かつてのお手頃サイズじゃない……それでも「評価できる!」凄いポイントとは

2020/05/08
note

 Appleから新しい「iPhone SE」が発売されました。かつてのiPhone 8の外観そのままに、CPUなどを現行水準にアップグレードし、かつ実売で4万円台という、iPhone史上に残るであろうリーズナブルな価格設定のモデルです。

 新型コロナウイルスの影響もあってか、各携帯電話会社からの発売は5月11日に延期されましたが、4月下旬に発売されたSIMフリー版をいち早く購入したユーザからの評価も高いようです。今回は筆者が購入したSIMフリー版(128GB)をもとに、初代iPhone SEと比べてどのような特徴があるのか、果たして買いなのかどうかをチェックします。

新しい「iPhone SE」。ホームボタンを備えた、かつてのiPhone 8そっくりのデザインが特徴

初代iPhone SEの後継では(残念ながら)ありません

 iPhone SEの後継に相当する「廉価版iPhone」の噂は、半年以上前からありました。その時点ですでに、ボディは初代iPhoneではなく、iPhone 8を流用したデザインであるとの情報が流れていましたが、結果的にその予想が当たっていたことになります。

ADVERTISEMENT

初代iPhone SE(右)との比較。型番は同じですがまったくの別物です

 初代iPhone SEのサイズ感にこだわってきた筆者からすると、このことは非常に残念です。というのも、初代iPhone SEは4インチというコンパクトな画面サイズに加えて、側面が垂直にカットされた持ちやすい形状で、仰向けに寝転がった状態で、片手で操作することも可能だったからです。

 今回のiPhone SEは、4.7インチのiPhone 8のデザインがそのまま流用されており、側面も丸みを帯びた加工になっています。そのため初代iPhone SEのように両側面を挟んで持ったり、表裏を挟んで片手で保持することができません。特に仰向けで操作するには、スマホリングをつけるなど、何らかの工夫が必要になります。

初代iPhone SEは仰向けに掲げた状態でも片手持ちでの操作が可能でした。これは筆者がブラウジングをしたり、テキストを入力する時の持ち方
新しいiPhone SEでは仰向けのまま片手で保持するのは困難です。そのため背面にグリップを付けて片手で保持できるようにしています

 そもそも初代iPhone SE自体、iPhone 5sのボディの流用であり、そのベースモデルは2010年発売のiPhone 4にまでさかのぼります。そうした古い基本設計のボディに最新のテクノロジーを詰め込むのが無理難題なのは容易に想像できます。何が何でもこのサイズに詰め込もうとして新規設計を強いられて、価格が10万オーバーになったりすると、それはそれで困りものです。

 従ってやり方自体は間違いではないと思うのですが、今回の新モデルの登場により、4インチサイズのiPhoneの系譜が、事実上絶たれてしまったのは残念です。筆者自身、今回新しいiPhone SEを購入しつつも、バッテリーの劣化を除けば今でも十分使える初代iPhone SEを引き続き併用するか否か、いまだに迷っていたりもします。