〈残念ながら、「コロナ離婚」は、確実に増えるでしょう〉
こう断言するのは、ベストセラー『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』の著者で脳科学者の黒川伊保子氏だ。
現在、「STAY HOME」を合言葉に「外出自粛」「在宅勤務」が奨励されている。新型コロナの拡大阻止には不可欠な措置だが、その分「家庭」に思わぬ緊張をもたらしている。家庭で一緒に過ごす時間が長くなることで、多くの夫婦が互いにストレスを感じ、“コロナ離婚の危機”に直面しているのだ。
“熟年離婚の危機”よりはるかに深刻
実際、夫婦喧嘩の増加や、パートナーからのモラハラ、DV被害の増加が報告されている。
黒川氏から見ると、『妻のトリセツ』で想定していたような事態が頻度を増して、いま起きている、ということになる。
〈そもそもこの本(『妻のトリセツ』)を書いたのは、「妻が怖い」という夫が増えていて、実際、夫側から申し立てた離婚の「動機」として、「妻からの精神的虐待」という理由が最近激増している、という社会状況があったからでした。
「精神的虐待」とは大げさな気もしますが、「いつもイライラしている」「口調がきつい」「急に怒り出す」「何をしても怒られる」「口をきかない」「無視される」「夫の分だけ家事をしない」「人格を否定するような言葉をぶつけられる」といった、夫にとっては“理不尽”でしかない妻の言動です。
今回の“コロナ危機”で、その“被害”に遭われている男性も多いでしょう〉
これは、一面では〈熟年離婚の危機が早まったようなもの〉であるが、〈“コロナ離婚の危機”は、“熟年離婚の危機”よりはるかに深刻〉だと黒川氏は解説する。