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結婚前に「風俗」で働いていたことを夫に告白したほうがいいのか?――林家木久扇の人生アドバイス

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 人に過去あり。親しい人には何をどこまで正直に伝えたらいいのだろう。『笑点』でお馴染みの林家木久扇師匠が初の生き方指南本『イライラしたら豆を買いなさい 人生のトリセツ88のことば』(文春新書)を上梓。本書から、目から鱗のアドバイスをご紹介します。

新宿末廣亭にて ©石川啓次/文藝春秋

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過去よりもいま――細胞なんて毎日生まれ替わる

 女の人の人生ってのはね、男と違って、秘密を隠しておくのが上手いところがあるんですね。男のようにべらべらしゃべらずに、秘め事を胸に何10年も過ごすことも出来る。だけど、それを重荷に感じる人もいましてね。

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 ある女性が、結婚前にいわゆる「風俗」で働いていて、それを旦那は知らないので、気に病んでいるというのです。

 だけど、僕はそんなことは恥ずべきことではないと思うんですね。その人の気持ちとしては、旦那を騙してしまったという罪悪感があるんだろうけど、騙したんじゃなくて、その方はそういう戦術でたくましく生きてきたんだから、過去を否定する必要はないんですよ。

 そりゃ肌を見せたりオッパイさわらせたりしたのかもしれないけど、もう過ぎちゃったこと。細胞なんて毎日生まれ変わるんだから、自分を汚らわしいと思ったり、いちいち過去を恥じることはないんです。

新宿末廣亭にて ©石川啓次/文藝春秋

 僕は「いやんばか~ん」とか「酔姫エレジー」なんて歌を出した頃、レコード会社のキャンペーンで風俗店を巡業してたんですね。まあ風俗と言っても、男の人にちょっとさわらせる程度の店ですが。

 風俗って昔の本格的な遊廓から、いまのキャバクラまでピンキリだけど、エッチは商品化されるとじつはさほどエッチじゃないんですね。たとえば男がちょっと肌にさわって周りで女の子が「ソコがオチチなのォ! ワッショイワッショイ!」なんて囃し立てると、素人の男性はそれだけで盛り上がっちゃって満足したりしてね。