私の体力は限界を迎えつつありました
オムツ替えが終われば、再び抱っこです。すでに腕と腰が瀕死状態だったので、ベッドに寝かせた状態で様々なおもちゃであやそうとしましたが、早く抱っこせんかい、と言わんばかりに「ふにゃあぁ……」と泣かれてしまい、作戦は失敗に終わりました。ようやく熟睡してくれたのでベッドに寝かせようとするとまた泣き始めてしまい、再び抱っこでゆらゆら……を繰り返しているうちに、気がつけば数時間が経過。情けないことに、私の体力は限界を迎えつつありました。
「これ毎日やってるの……?」と恐る恐る聞く私に、友人は「毎日だよ~。少し寝て起きてを繰り返すのが夜中まで続いて、朝5時か6時にはこの子がしっかり目覚めるから、私はほとんど寝られてないのよね」と苦笑いしました。
もちろん個人差はあるとは思いますが、この状況が子どもがある程度大きくなるまで数年間続くと考えると、心身が追い込まれてノイローゼになってしまったり、ついカッとなってしまったり、私が見たように「そんなことで?」と思うようなことでも子どもに強く当たってしまう親たちが出てくるのは、避けられない深刻な事態であるように思えます。
虐待のニュースを見て「人ごとではない」と思うように
友人の夫は東京で仕事をしており、友人は里帰り出産後、一時的に実家で育児をしています。しかし両親と弟は仕事をしているため夜になるまでは帰ってこず、日中は子どもと2人きり。平日の夜と土日には家族が育児を助けてくれますが、間もなく夫のいる東京へ帰らなくてはなりません。
そうなると育児に加えてやらなければならないことも多いでしょうし、仕事を終えて帰ってきた夫が育児と家事に参加してくれるとしても、おそらく両親と弟が3人で支えてくれている今よりは、彼女の負担は増えるでしょう。
「子どもが生後1年になったら産休が終わるから会社に戻らないといけないけど、保育所に入れる保証もないし、そうなると会社を辞めなきゃいけない。でも夫1人の稼ぎでは生活できないから私も働かないと……」と不安そうに話す友人は、続けてこう言いました。
「ニュースで子どもを虐待して逮捕されたお母さんを見ると、『人ごとじゃないな』って思うようになった。私も育児でろくに眠れてない状態のときに、この子の泣き声を聞くと『何で泣き止んでくれないの。早く静かにしなきゃ』って気持ちで頭がいっぱいになって、抱いている自分の子を床に落としてしまいそうになったことがある。冷静になったときに『自分が怖い』と思ったし、誰にでも起こりうることなんだな、と思ったよ」