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 電話の相手から「女の歌声がする」と言われて、なんだか気持ち悪いなと思って住み始めた1週間後、僕はマンションの入口で車に轢かれました。柔道部だったんで、咄嗟に受け身をとって無事でしたが、後でゾッとすることがわかります。この事故物件に住むときに、後輩芸人2人に引っ越しを手伝ってもらったんですが、彼らもまた、ほぼ同時期に別々の場所で交通事故に遭っていたんです。

2軒目は息子が母親を殺した部屋

 この次、2軒目に住んだのがUR住宅、いわゆる団地の事故物件でした。これも大阪の方なんですけど、このときは入居同意書というのを書かなきゃいけませんでした。「私は、上記住宅が特別募集住宅(殺人)であることを承知し、以下の入居予定者全員の同意を得られたことを認めます」と。

2軒目に住んだURの事故物件。家賃2万6000円の2DK

 ここに僕の本名と、もうひとり、一緒に住むことになった後輩芸人の名前を書いて提出しました。2DKで家賃2万6000円、息子が母親をボコボコに殴って、最後は風呂に沈めて殺した部屋でした。

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 実際に住んでみると、部屋の畳が一枚だけ、なんだかおかしいんです。なんか微妙に浮いているし、そこだけ新しくて、なんなんだろうと。思い切って畳を引っ剥がしてみると、その下には黒くて丸い染みのようなものがいくつもありました。なんだかわかりますか。血の跡。血痕です。おそらく、息子が母親を殴った、その現場で流れた血の跡が、畳の下に残っていたんです。他にも、風呂場の鏡がペンキで塗りつぶされたりしていて、本当に変な部屋でした。

母親はこの風呂場で殺された

玄関のドアノブで女性が首つり自殺……

 そして3軒目に住んだのが、ロフト付きの6畳1K。家賃3万5000円の部屋でした。ここは何が起きた部屋なのか不動産屋が事前にちゃんと教えてくれまして、「玄関で首吊り自殺、30代~40代の女性、恋人と喧嘩して突発的に、遺書有り、ドアノブで座るように自殺」ということでした。

3軒目の事故物件。家賃3万5000円のロフト付き6畳1K

 ある日、この部屋で後輩芸人が一晩、ロフトに泊まっていったんです。すると、彼が「この部屋は玄関じゃなくて、ロフトの方がおかしいんじゃないですか」と言い出しました。ロフトの柵が凹んでいたり、留め金で補強した跡がある。これって一回柵が折れてるんじゃないですか、と。