2019年に亡くなられた方の追悼記事のうち、文春オンラインで反響の大きかったものを再掲します(初公開日 2019年11月30日)。
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「テレビのMCとか、バラエティー番組への出演とか、ラジオのパーソナリティーにも興味があるんです。そのためにも、もっと日本語がうまくならないと」
あの時の彼女のあの言葉に、偽りはなかったと信じたい――。
韓国のアイドルグループKARAの元メンバー、ク・ハラさんが11月24日、ソウル市内の自宅で死亡した状態で発見された。リビングのテーブルには、自身の境遇を悲観する手書きのメモが残されていたという。28歳だった。
彼女は2016年のKARA活動休止後、元交際相手への暴行疑惑や、その後自身で明らかにした相手男性からのリベンジポルノによる脅迫事件で、訴訟沙汰になっていた。また今年5月には、自宅で意識不明となっていたところをマネージャーに発見され、自殺未遂と報じられている。
だがそうしたトラブルを乗り越え、6月から日本に拠点を移し、ソロ歌手として再始動。11月14日~19日には東京、大阪など全国4大都市を回るコンサートを敢行した。そしてツアー終了後、「用がある」と韓国に戻った直後に、突然の悲報がもたらされたのだった。
これから綴るのは、ハラさんが最後に日本で過ごした日々の中、偶然にも2度に渡って彼女を取材する機会を得たライターの回想である。
サンシャインシティで行われたトークショー
11月8日、ハラさん(当時の芸名はHARA)の日本での再始動第1弾シングル「Midnight Queen」の発売を記念し、東京・池袋のサンシャインシティでトークショーが開催された。彼女が日本に拠点を移して以降、初となるファン対象のイベントである。私はある媒体からの依頼で、この催しを取材していた。
トークショーは、司会の女性との質疑応答という形で進行した。