「日本は謝罪していない」または「真の謝罪をしていない」という見解は、韓国では珍しいことではない。日韓関係について街中で韓国人にインタビューしたり、関連する韓国メディアの記事のコメント欄を見れば、いくらでもこの種の発言は出てくる。
だが、日本は慰安婦問題についてこれまで何度も謝罪してきている。
主なものだけでも、
1992年の加藤紘一官房長官による談話、
1993年の河野洋平官房長官による談話、
1995年の五十嵐広三官房長官によるアジア女性基金発表、
1995年の村山富市首相の談話、
1996年の原文兵衛アジア女性基金理事長による手紙、
1997年の橋本龍太郎首相による手紙、
2001年の小泉純一郎首相よる手紙、
2005年の小泉首相による談話(※慰安婦問題への直接言及はないがアジア諸国の人々へのお詫びを表明)、
2010年の菅直人首相による談話(※慰安婦問題への直接言及はないが、日韓併合100年に際し「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明いたします」)、
そして2015年の安倍首相による日韓合意での謝罪(※岸田文雄外相が代読)など数多い。
しかし、正義連やその前身の挺身隊問題対策協議会はこうした謝罪を意に介さず「日本は謝罪しろ」と言い続け、それを引用した韓国メディアは「謝罪もしない日本」と報じ続けた。
正義連の主張はいつの間にか「日本は法的謝罪をしろ」に微修正されたが、「謝罪しない日本」というイメージは定着し、韓国メディアが現在も再生産している。
こうした支援団体の主張や報道の影響か、正確な統計はないがソウルに暮らす日本人の肌感覚として、日本は謝罪していないと考えている韓国人はかなり多いと思われる。
多くの謝罪があった事実に基づく対応を
これまで日本政府や日本の支援団体は、「加害者」として韓国の国民に何度も謝罪してきた。