現在、ロッテリアが大量閉店している。そして、その跡地には「ゼッテリア」という店が入っている。SNSでは「ロッテリアのパクリ?」「違いが分からない」との声も見かけるほどで、まだ認知度は低いようだが、近年の「ロッテリア大量閉店」そして、「ゼッテリア増殖」からは、現在のファストフードを取り巻く環境がうかがえる。

 ちなみに、この「ゼッテリア」という名前は多分にロッテリアの影響を感じるが、公式発表によると、実は全く関係ない。「絶品バーガー」と「カフェテリア」を合わせた言葉なのだという。

 そう、ゼッテリアはファストフードの代表格であるハンバーガーショップと、カフェを融合した業態なのだ。では、なぜゼンショーホールディングスは相性の悪そうなこの2種類のジャンルを掛け合わせ業態で、いまあらためて勝負をかけようとしたのか。

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続々と増えているゼッテリア、その狙いはどこにあるのか(筆者撮影)

ゼンショーが「水と油」を掛け合わせた背景

 その1つには、「カフェ」、とりわけ「チェーンカフェ」業態の盛り上がりがある。

 近年はスターバックスやコメダ珈琲店等、巨大なカフェチェーンの店舗数が伸び続けている。この背景には、コロナ禍以後、会社以外の場所で作業を行う人が増えてきたことなどがあるだろう。

最近は都市部だけでなく、地方やロードサイドでもスターバックスを目にする機会が増えてきた(同前)

 また筆者は、ファミリーレストランが相対的に高くなったことも影響していると思う。ファミレスだと、ちょっとご飯を食べただけで1000円を越したり、ドリンクバーも高くなったりしている。打ち合わせや作業をそこで行っていた人が、カフェに流れ込んできたのではないか。

 いずれにしても週末など、東京だと、どこもかしこもチェーンカフェは大行列である。そんな中で、ハンバーガーのイメージが強い「ロッテリア」よりも、そこに「カフェ」の要素をより際立たせた方が持続性があると考えたのかもしれない。

 私が訪れたときも、レストランのように使っている人もいれば、カフェのように作業で使っている人もいたことは書いた通りだ(ちなみに、この原稿もゼッテリアで書いている)。その分だけ、稼げる機会が広がっている。ただし、喫茶店業界全体で見ればその市場規模はここ20年ぐらい横ばい。数を増す大手のチェーンカフェと潰れてしまう個人店の二極化が進んでいるのが実相という点は付言しておきたい。

カフェシフトがもたらす「さらなるメリット」とは?

 実は、この「カフェをプラス」することは、その他の側面からもいいことがある。