皆さん、初めまして。今回から「文春野球コラムペナントレース」に選手として参加することになりました、東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義と申します。
私のことをご存知ない方も多いと思いますので、自己紹介をいたしますと、2007年の大学生・社会人ドラフト6巡目でスワローズに入団し、12年間の現役中は、バントや走塁を得意とするユーティリティープレイヤーとして所々に輝き、昨年2019年に惜しまれつつ引退。今年からユニフォームをスーツに着替え、球団広報として日々奮闘しております。
今回「文春ヤクルト」からオファーを受けまして、バットからペン、いやパソコンに持ち替えて、コラムの世界にも活躍の場を移すことになりました。どうぞよろしくお願いします。
広報という職に就いて驚いたこと
ようやく2020年のプロ野球が開幕します。選手はもちろん、我々球団職員もこの日が来るのを今か今かと待ちかねていました。現役時代だったらこういうときは「あれこれ考えても、仕方ないや」とある意味割り切った気持ちで過ごしていたんでしょうが、球団職員は違います。「野球がないと、自分たちはなんにもできないんだなぁ」というある種の寂しさと無力さを感じつつ、ファンのためにできることは何かを考えなければ、と思い日々を過ごしていました。
今年から広報という職に就いてみて、選手時代には知らなかった、思いもよらなかったことを多く経験し、いろいろと学ばせてもらっています。
僕個人のことを言えば、現役中は100%あったら0.2%しかその能力を発揮させてやることのできなかったパソコンです。入社当初はPDFとかギガファイル便とか知らない単語ばかりで頭が真っ白に。今担当しているTwitterも、現役時代はやったことなかったし、「リツイート」という言葉の意味もわかりませんでした。しかし、今では画像の添付もできるし、エクセルの表計算も使いこなせるようになりました。エクセルの賢さには本当に驚いています。
また、コロナが深刻化する前の今年の2月には、地元の青山外苑前商店街のみなさんとの新年会に出席しました。そこで他の商店街との野球の対抗戦があると聞かされ、思わず「現役ではレギュラー取れなかったですが、ここではしっかりとレギュラー取れるように頑張ります」と挨拶して、少なからずの笑いを取りました。
またスワローズ主催の「投げ方教室」にも参加。子どもたちに野球の楽しさを知ってもらう授業を行っています。コロナの状況が変われば、ずっと続けていきたい僕の大事な仕事です。
在宅勤務中に考えたSNS企画
この仕事に就いてからは、ほとんど内勤でしたが、2月のキャンプには少しだけ参加しました。期待の新人・奥川恭伸投手の「初ブルペンの日」にお呼びがかかったのです、群衆整理として。押し寄せる観客を誘導したりもしましたが、あまり役に立たなかったのか、ブルペンで奥川くんの後ろから動画を撮る大役を任されました。
全国から注目の的の投球。一球たりとも逃すまいと、集中して動画撮影用のスマホを構えていたら、ポケットの中で突然、私用のスマホが震えました。「なんだよ!」と画面を見ると「高津臣吾」という四文字。慌てて出ると「お前映りすぎじゃ〜」となぜか怒号が。ネットでの生中継、その画面に僕がバッチリ映っていたそうです。
「監督、これ仕事なんです!」と言いましたが「隠し撮りしてんじゃないだろな」と返され……高津監督流のイジりにビックリしました。しかもその後はバッティングピッチャーやランナーもやらされて……。2軍の選手の前で現役時代さながらのナイスランをかましましたよ。