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わざわざ集まって食事をするのは人間だけ!

「今回の外出自粛によって明らかになったのは、集まったり、移動したりすることを禁じられると、こんなにも人間は落ち込んでしまうものなのかということでした。スマホもインターネットもあるわけだから常に会話はできている。だけど、それだけでは人間は満足できず、孤立感を感じてしまう」

 人間が孤立感を感じるのはなぜなのか。40年以上ライフワークとしてゴリラを研究する山極氏は、それは対面のコミュニケーションを求める「人間らしさ」に理由があると分析する。

山極壽一氏(京都大学総長)

「例えば、対面してものを食べる行為は、人間だけにある習慣で、ゴリラもチンパンジーも食べる時は分散し、あまり顔を合わせないようにして食べます。でも、人間は食べる時にわざわざ集まって、お互いの顔色を確かめながらその場を楽しんで食べる。そういった機会がなくなると、人間は日々の豊かさを失った気分になってしまうんですね。そういうことを思い返してみると、言葉を介さない、人間同士のつながりが人間社会を作るうえで重要なのだと改めて理解できた気がするんです。そしてこれほど情報社会が進み、様々なコミュニケーションツールが生まれても、代替できるものがない」

 山極氏の指摘は、オンラインツールの否定ではない。デジタル一辺倒では、人間が「人間らしさ」を失うのではないかという危機感からくる言葉だ。

 14世紀のペストの大流行のあと、ルネッサンスが起きてヨーロッパが蘇ったように、コロナ後の世界で「デジタル・ルネッサンス」が起きたとして、それが果たして万人にとって豊かな社会につながるのだろうか――小林氏と山極氏は、「デジタル独裁vs.東洋的人間主義」(「文藝春秋」7月号及び「文藝春秋digital」にて公開中)の中で、徹底的に議論している。

出典:「文藝春秋」7月号

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