679日ぶりの白星だった。千葉ロッテマリーンズの有吉優樹投手が7月7日のライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)に先発し、2018年8月28日のホークス戦以来の勝利を挙げた。昨年4月に右ひじ鏡視下関節クリーニング術を行い、全治まで3ヶ月から4ヶ月の診断を受けた。長いリハビリを経て、七夕の夜に見事な復活劇となった。

有吉優樹 ©千葉ロッテマリーンズ

自分の心を支えてくれた人たちのために

「正直、無理じゃないかと思った時もありました。これまで大きな怪我をしたこともなかったので、もう戻れないかもなあと思った時もありました。そんな時に支えてくれたのがトレーナー、リハビリ担当、治療の方。怪我をしなかったら出会えなかった色々な人が折れそうな自分の心を支えてくれました。そういう方々のためにも頑張ろうと思いました。感謝をしながら一つずつアウトを取ろうと思いました」

 最大風速17メートルの強風が吹き荒れる悪天候もこれまでの苦しいリハビリを乗り越えてきた男には心地よさすら感じた。強打を誇るライオンズ打線相手に6回を5安打2失点。強気に攻め続け、勝ち投手となった。試合が終わるとスマートフォンに連絡が殺到していた。高校、大学、社会人。これまで出会った色々な人から祝福の言葉をもらった。1年以上、表舞台から姿を消していた男は改めて今、自分が生きている世界の影響力を感じ、幸せを噛みしめた。

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「九州三菱自動車時代の社長や上司、同僚、色々な方からご連絡をいただきました。この1年間なにもしていなかったのですけど、こんなに気にかけてくれていた人がいたことに驚きましたし、嬉しかった。こんなに多くの人が応援してくれていたのだなあと実感しました。あらためて凄い世界で自分は仕事をしているのだなあと思いました」