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「もしかすると化けるかも……」金子弌大が私に予言していたオリックス・山本由伸の才能

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/07/19

ドラマチックすぎる新旧エースの競演

 しかし、去年は開幕から才能が認められ先発ローテーションを任された山本投手。

 なんとなんと、早くも4月にファイターズ金子とバファローズ山本が先発マウンドに立ち、二人が投げ合う日が来たのです。しかも舞台はブルーウェーブの聖地、かつてのグリーンスタジアム、現ほっともっとフィールド神戸でした。

 僕は予告先発が発表された前の日から泣きそうでした。オリックスの大エースだった金子弌大とこれからオリックスの大エースになるであろう山本由伸の激突。山本由伸には直接声はかけていないけれど、その才能を認めていた金子。偉大過ぎて会話もできなかった山本。二人が神戸のマウンドで、先発という形で語り合う……もうこれは運命以外の何物でもない。オリに神様はいる……ドラマチックすぎる。

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 結果は5回無失点、ほぼ完璧にオリックス打線を抑えた金子弌大に軍配。山本由伸は中盤に崩れ6回4失点。ただ二人とも3回まではともにパーフェクト。新旧エースの競演は、序盤はまさに美し過ぎました。

 金子投手は結果的にオリックスを出ることになったけれど、今でもオリックスを愛している。だからこそ、オリックスの後輩たちには厳しい。徹底的に各打者の弱いところを突いていた。何かメッセージを送るように。そして去年、オリックス打線はことごとく金子投手を打ち崩せなかった。愛の鞭ですね、これは……。僕はそう解釈していた。

山本由伸 ©時事通信社

 みなさん、オリックスを愛しているのならば、今季も金子対山本を観たいですよね。そりゃ、オリックスが勝ってくれたら嬉しいけれど、勝ち負けを超えて、オリックスの新旧エースが繰り広げるドラマを観たいじゃありませんか。

 そして、もし今年は山本由伸が投げ勝ったとしたら、インタビューで何て言うのか。偉大過ぎて、金子さんとの思い出なんて無いですと言ってきた彼が何て表現するのか。

 オリックスファンにしかわからない喜びがあるんです、ここには。

 ああ、今日も僕はオリックスを愛しています。

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