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寺島、清水、山崎……新人広報・三輪正義が考える、好調スワローズを支える若手の力

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/07/21
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 皆さんこんにちは、東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。前回の登板で、思いもよらぬほどたくさんのHITをいただき、ありがとうございました。後輩たちからはなんの反応もなかったのですが、いろんな方から好意的な感想をいただき驚くと同時に、大変励みになりました。ただ、僕の経験からいいますと、現役時代もそうでしたが、こういうときに調子に乗ると、手痛いミスを犯し足をすくわれますから、気を引き締めて参ります。

 7月24日からはいよいよホーム・神宮球場でお客様をお迎えしての「有観客試合」が始まります。僕は今、報道関係者向けのガイドラインなどを作成しているのですが、ワード、エクセルに引き続き、パワーポイントを駆使しての座席区分表を作りました。初めてのパワーポイントで、その性能の2%しか引き出せていないですが、図面をくるくる回したりできると、「俺は何でもできるのではないか」という気分にさせてくれるすごいツールですね。

 また、6月30日の主催試合が雨天中止となったとき、つば九郎がYouTubeでライブ配信をしたのですが、そのとき「天の声」として盛り上げ役を務めました。当日「きょうあめだったらおなやみそうだんやりませんか」と突然つば九郎からLINEが来て……あれよあれよと言う間に生配信が決まりました。

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 営業の後輩が「声ちっちゃいとダメですよ」と言うので、声を張りました。つば九郎のフリップを読んで、すかさずツッコミを入れる「天の声」。つば九郎とは打ち合わせナシのリアルガチです。完璧にやりきったと思っていましたが、あとでアーカイブを見たら思いっきり僕の姿が映り、見切れている……。最後に僕だとネタばらしすると思っていたのに、最初からバラされていたようです……。

©三輪正義

上位進出の原動力となっている若手投手

 さて、高津臣吾監督率いるスワローズは一時は首位(7月12日)に立つなど、いま調子がいいですね。僕は6位も経験すれば、それこそ優勝も経験しているので分かるんですが、調子がいいときって「いけるな!」って雰囲気がチームに充満します。

 これは不思議なんですけど、2点くらい負けていても全然ひっくり返せる気がするんです。野球には「流れ」というものがありますから、「ここで点とったら強いな」とか、逆に「この場面で点を相手にやってしまったら弱いよな」という瞬間が毎回訪れます。僕はベンチにいるわけじゃないからはっきりとは分からないけど、今のチームはそうした場面が随所にありますね。

 そんななか、僕と去年一緒にプレーした、若い投手が活躍しています。2年目の清水昇、4年目の寺島成輝。寺島は、前回は書きませんでしたが、最も期待していたピッチャーの一人です。

 彼はファーム時代から頑張っているのを見ているし、2016年にドラフト1位で入団してきたときからとっても素直で良い青年です。僕を先輩とも思わない後輩が多いなか、爽やかな笑顔で、きちんと頭を下げて挨拶をしてくれますし……。

 僕がちょうど今手がけている、スワローズの公式アプリ内の「Focus on players」という動画コンテンツで彼にインタビューをしに練習場に出向きました。そうしたら彼がプロ入り初勝利(7月7日)を挙げた翌日に、あらかじめ配信日が決まっていた動画が公開されるという「持ってる」男です。もっとも小さな声で言えば、企画し、キャスティングをした僕が「持ってる」……。

 6回、7回を任されるピッチャー、15年に優勝したときで言えばロマンのようなピッチャーがゼロに抑えてくれると、チームはいい雰囲気になります。僕はずっとベンチに座っていたんでわかるんですけど、僅差の6、7回で投げる人が実は重要で、チームの勢いを連れてくる存在なんです。

 僕は去年、ファームでいろんな投手の後ろで守って背中を見ていましたが、テレビで見ていても「清水、今年はちょっと変わったな」と感じます。去年は15回打者に向かったら12回、カウントが3―2になるような男だったんです。しかも打者を三振に取ると「シャー!!」って球場中に響く声で叫んでガッツポーズをするものだから、気の弱い僕はその声にいつもビクっとなっていました。

 そんな彼ですが、実はロッカーがとても綺麗なんです。僕の左斜め前が清水のロッカーだったんですが、タオルやユニフォームや道具がきちんと整頓されて入っている。僕なんか自分ではどこに何が入っているのか把握はしていましたけど、めちゃくちゃ汚かった。年が離れていてあまり話す機会はなかったけど、斜め前のオジさんの汚いロッカーは彼にどう映っていたんでしょうかね。

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