「もっと質問してください!」
面接と銘打っていましたが、実態は会社説明に近く、どういった事業を手掛けているのか、なぜ今採用活動をしているのかなどの説明を聞く時間が大半。申し訳程度に志望動機を聞かれ、そのまま二次面接の案内に。
おっ。これは本当に人手が足りなくて、私でも潜り込めるパターンでは!?
無職終了に一歩ずつ近づいている気がして、気持ちも高まります。
ちなみにこの時の面接官は、同い年で同じ大学出身の男性。新卒で入社し現在に至るとのことでした。ちゃんと就活した人は、こうやって将来性のある企業でバリバリ働いているのだなあと、テキトーに就活した結果仕事も辞めてしまった自分をかえりみ、何とも言えない気持ちになりました。
二次面接は3月初旬、大阪にて。
40代くらいの男性マネジャーが面接官です。再度事業説明を受け、その後はひたすら私から質問するターン。
「求める人材像」「同業他社との違い」「現在会社に不足しているもの」「どんなとき入社してよかったと思うか」「どんな人がこの仕事に向いているか」といった、悲しいかな転職活動慣れしている私にとっては、もはやおなじみの質問を繰り出します。
30分以上質問し続け「そろそろ時間的に終わりかな」と思っていると「もっと質問してください!」と朗らかにうながされます。ちなみにこの「もっと質問してください!」、確実に5回以上聞きました。
正直「もう聞くことない……」と思うわけですが、「ここでどれくらいたくさん質問できるかがこの面接では見られているのでは」と思いなおし、業界展望だなんだと、微に入り細に入り聞き続け、1時間強の面接を終えました。
手ごたえがあるようなないような。何とも言えない感じです。
面接前の過ごし方には要注意
このとき、この企業で転職活動を終えたかったので、自分なりに一生懸命準備して臨みました。ですが、一つの失敗が私の足を引っ張っていました。
その失敗とは、直前に読む本の選択ミス。
大阪までのんびり青春18きっぷを使って移動したので、その間の暇つぶしにと、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を読んでしまったのです。
いや、面白かったのですが、登場人物の名前が分かりにくくて、もう脳みそは大混乱です。ホセとホセとホセが出てきて、アウレリャノもうじゃうじゃいて、ウルスラは何人だ!? 幽霊がいるけど、あっさり死んでそれっきりの人物もいて……!?
ノーベル賞作家の紡ぐ世界にすっかり引きずられ、自分史上最大にふわふわした状態で面接を受けてしまったのでした。
キヨシマの転職活動メモ
一、面接の前に脳みそが混乱するような小説を読んではいけない。