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鍵をかけられ、保健室に閉じ込められた

「呼び出された日は雪が降っていました。保健室の暖房は付いていませんでした。そこに、体育の授業中で、半袖短パンです。しかも、トイレにも行けない状態だったんです。最初は認めませんでした。でも、2人の先生に『やったんだろう』と言われ、責められ続けました。認めないでいると、鍵をかけられ、1時間ほど保健室に閉じ込められました。16時半ごろまでいたと思います。17時に親が迎えに来るというので、教師の監視のもと、教室で制服に着替えをしました。他の生徒がいない時間帯でした。でも、早くこの場から逃げたかったので、1回『やりました』と言ってしまったんです」

 父親が学さんに話を聞いたが、保健室に長時間、閉じ込められていたことを学校から説明されていなかった。また、学さんが父親に「やっていない」と話した。そのため、父親は校長に対し、「やったのであれば、謝ります。しかし、(息子は)やっていないと言っている」と説明を求めた。

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 その後、被害を訴えたBさんは警察に被害届を出した。

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「本人がやってないというが、本人が嘘をついているのか?」(父親)

 時期も含めて、警察でのBさんの証言は二転三転した。被害を受けたとする日は、学さんは胃腸炎で学校を休んでいたことが明らかになった。しかし、担任は「人の記憶は曖昧だ。私は、20年以上、教師をしているから、(やったことは)間違いない」と、決めつけたという。

追い詰められた学さんは部屋で首を吊ろうとした

「蓋を開けたら、Bさんの言っている内容がどんどん変わっていくんです。証拠もない。被害は自己申告だけです。DNA鑑定もしましたが、何も出てきませんでした。事件はなかったんです。それなのに、学校側は『Bさんが怖いと言っているので、学校に来ないで』というんです。しかも、それは『謹慎処分ではない』というんです。そのため、県教委に報告書も出してない。自主的な休学、という扱いのようです」(父親)

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 結局、警察は学さんを送検しなかった。

 Bさんが警察に被害届を出したことを学さんは学校から知らされた。このときにも、生活指導担当Cから「Bさんの胸を触ったのか?」と聞かれた。「違います。肩を押しただけです」と反論した。精神的に追い詰められた学さんはその日、自分の部屋で首を吊ろうとしていた。たまたま、心配になって母親が部屋に見に行ったときだったため、一命を取りとめた。

「付近の中学校でいじめ自殺があったのを思い出したんです。死ねば真実をわかってもらえると思ったんです」(学さん)

 別の日にも、自殺を試みたが、家族が止めている。