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 今から10年以上も前となるが、筆者は取材で「ガン・ショー」を訪れたことがある。大きなイベント会場に多数の銃販売のブースが並び、観客が訪れ、銃を品定めしては買っていく見本市だ。 

 会場はニューヨーク州都のオルバニーだったが、販売者も客もほとんどが白人だった。黒人は、米軍が出店しているブースで大型銃の説明をしていた兵士と、わずか2〜3人の客のみ。アジア系はおそらく筆者と同行の編集者だけであり、他には見掛けなかった。無数の銃器に囲まれ、非常に居心地の悪い空間であったが、主催者、出店者、共に筆者の質問には問題なく答えてくれた。 

 銃以外に小物販売のブースもあり、ナチス関連の小物を売るテーブルがあった。その隣では旭日旗の小物が販売されていた。アジア諸国を攻め、統治した「単一民族」日本の象徴と受け取られているのだろう。 

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©getty

 この流れから古い日本文化に憧れる白人至上主義者もいる。今年6月、ミズーリ州にて複数の爆発物を隠し持っていたことから逮捕されたキャメロン・スウォボダ(26)は、ブラック・ライブズ・マターのデモ参加者をターゲットにするつもりだったと報道されている。 

 スウォボダのインスタグラムにはミリタリー装備の自身の写真が上げられているが、プロフィール欄には「親日家」を意味する「Japanophile」 の記載がある。スウォボダのものと思われるピンタレストのアカウントには日本語で「和服」と書かれたカテゴリーの他に、ローマ字で「Tanegashima teppou」(種子島鉄砲)と題し、古い鉄砲の写真をアップしたカテゴリーもある。 

ジャレッド・テイラーを登場させた日本のテレビ番組 

 6月初頭、ジャレッド・テイラーは日本のBS-TBSの番組『報道1930』に人種問題の専門家として登場し、ジョージ・フロイド氏殺害後のデモと暴動についてコメントした。日本のテレビが世界的に名を知られる白人至上主義者に黒人運動を語らせたことは非常に大きな驚きである。