文春オンライン
抗体が感染を防ぐとは限らない! 免疫学者が指摘する「ワクチン待望論の“深刻な誤解”」

抗体が感染を防ぐとは限らない! 免疫学者が指摘する「ワクチン待望論の“深刻な誤解”」

新型コロナ感染者に「悪玉抗体」ができている可能性も

note

回復者のうち「善玉抗体」の保有者は2割程度

 さらにこう指摘する。

〈新型コロナでも、重症者の方が軽症者よりも「抗体量」が多かったという報告があります。これは、「悪玉抗体」ができている可能性を示唆しています。新型コロナからの回復者のうち「善玉抗体」の保有者は2割程度だったという報告もあります〉

 新型コロナでは「善玉抗体」だけができるわけではないとすれば、「抗体検査」への過剰な期待も禁物だ。

ADVERTISEMENT

宮坂昌之氏

〈「抗体保有者」に「免疫パスポート」を発行する提言もなされていますが、通常の抗体検査は、「善玉」「悪玉」「役無し」を区別できません〉

 では「検査」はまったく無意味なのか。宮坂氏は代わりにこう提言する。

〈私が有効だと考えるのは、「キットによる抗原検査」です。(略)時間も費用もかかるPCR検査と比べて、「キットによる抗原検査」は、安価で迅速にできます。PCRより感度は低いのですが、多くのウイルス(抗原)を排出する「スーパースプレッダー」を検出し、感染拡大を防止するには、これで充分かもしれません〉

 免疫学の第一人者である宮坂氏が、「新型コロナ」に関する「免疫」のしくみや「検査」のあり方を解説した「『抗体検査』でスーパースプレッダーを検出せよ」の全文は、「文藝春秋」8月号および「文藝春秋digital」に掲載されている。

出典:「文藝春秋」8月号

※「文藝春秋」編集部は、ツイッターで記事の配信・情報発信を行っています。@gekkan_bunshun のフォローをお願いします。

※音声メディア・Voicyで「文藝春秋channel」も放送中! 作家や編集者が「書けなかった話」などを語っています。こちらもフォローをお願いします。

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
「抗原検査」でスーパースプレッダーを検出せよ
抗体が感染を防ぐとは限らない! 免疫学者が指摘する「ワクチン待望論の“深刻な誤解”」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文藝春秋をフォロー