——山本さんの体調が悪化したのはいつ頃だったのですか。
「体調が悪くなったのは、舞台が終わった翌日の7月6日。ただ、今回の舞台の稽古や、ドラマも1カ月半くらい前から撮影があって、長い間仕事が続いてたので、その疲れからきた風邪くらいのものだと思っていました。そしたら翌7日に、舞台の共演者からコロナ感染者が出たとスタッフから聞かされて、『濃厚接触者なので一応PCR検査を受けてください』って言われた。それを聞いた瞬間に一気に体調が悪くなって、舞台のスタッフと指定された病院に行きました。そうしたら陽性が出て……。倦怠感も凄くて、病院に入院することになりました」
「罵声を浴びせてくるアンチ」とは誰か?
山本は7月17日の退院後、自身のインスタグラムを更新し、《皆さん、この度は心配をおかけして申し訳なかったです。あと、お騒がせしました。舞台関係者、観劇者、その家族、職場の方々、濃厚接触者、感染者の方々皆さんの安全、早期回復を心から願っています》と謝罪した。
一方、今回の舞台めぐる報道については、《病室で隔離され治療をしてもらった期間色々なニュース、記事をみました(略)厳しい意見や真剣に向き合って話をしてくれているコメンテーターの方の意見を目にしました。心ない罵声を浴びせてくるアンチ、暖かく優しい言葉をかけてくれるファンの方、タレント仲間。色々ありました》と告白。《罵声を浴びせてくるアンチ》との表現は改めて批判を浴びた。
——今回、インスタグラムに「アンチ」という言葉を使ったことに批判が広がっています。どういう意図で書かれたのですか?
「ワイドショーやネットニュースなどで、事実とあまりにも違うことが報道されていたんです。本当は握手とかハグなどは演出で一切やっていないし、『舞台を降りて観客と絡んだ』とも報道されていますが、足を踏み外して一度落ちただけです。
観劇した方は分かってくれていましたが、そういうニュースだけを見た人たちからは、SNSにダイレクトメッセージで誹謗中傷が山ほど送られてきた。『演出でハグや握手なんかしてるから、うつる決まってるだろバカ』『ホストまがいな舞台なんかやってるからだよ』とかですね。さらに、『お前が感染させたんだろ』とまで……。
どう見ても『出演者が悪い』って思っている方がほとんどで、『とっとと引退してください』とか、『お前みたいなやつが表出てくんな』とまで書かれた。そこで自分も発信しなかったら、自分が自分でいられなくなっちゃうと思ったんです。今思えば言葉足らずで幼稚でしたし、謝罪だけしてればよかったという人もいる。でも『違うことは違う』と言いたかったんです」
——今回の公演は別にしても、これまではメンズアイドルの舞台では、“ホストまがい”の演出も横行していると聞きます。
「小劇場でやるような舞台の場合、テレビCMとか広告宣伝にお金をかけられないし、チケットがすごく売れるような人たちをキャスティングしたりするのは、どうしても厳しくなってくる。それでも人件費を考えるとチケットは5000円から、高いと1万円以上します。そうなると2.5次元系だったりイケメン系が出るような舞台に関しては、チケットを捌くには、(出演者と写真が撮れる)『特典チェキ』とか、握手会、ハイタッチ見送りとか、推しの役者との交流ができる特典が必要だった。ファンの人たちは、遠方から高いお金を払って観劇しにきてくれるわけですから。客の入りにくい平日の公演は、こういうイベントを打って集客を増やすことは、舞台ではよくあることです。
ですが、繰り返しになりますが、今回の舞台に関してはそういった演出を一切やっていない。ソーシャルディスタンス、密を避けましょうっていう部分を初日から心がけていたつもりでした。ただ、熱狂的なファンの方々は出待ちをしているから、そこで僕ら出演者が心を鬼にして『それはダメです』『しません』って言えればよかったんですが、欠けていました」