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タクシードライバーが目撃した「信頼できない部下」3つの特徴

こんな部下には気を付けろ!

2020/07/22
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(2)人のせいにする

 雨の日はタクシーが捕まりづらい。考えていることはみんな一緒である。強い雨が降りしきる中、あまり役に立っていない傘をさし、慌てた様子でタクシーを探している20代後半くらいのスーツ姿の男性が立っていた。乗せると濡れた傘をそのまま車内に放り投げ、意外な一言を発した。

「来るの遅いんだよ」

 いやいや予約をしている訳もなく、たまたま通りかかって乗せたのに何故?

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©︎iStock.com

 そして、男性は行き先も告げずにすぐさまスマホを手にした。

「○○商事の××です。すみません、今タクシーで移動中なんですが、運転手が道を間違えて尚且つ渋滞にまで巻き込まれて……。最悪です……。申し訳ありませんが、お約束の時間に少し遅れます」

 乗ってまもなく行き先も告げられていないのに、道を間違えるはずもない。呆気に取られていると、

「青山まで速攻行って!」

 不本意ながらも青山までのルート確認をすると、

「いいから早く!」

 と急かされた。

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 嘘も方便とも言うからには、遅れた理由としてタクシーを出しに使われても構わないが、タクシー運転手本人を目の前にしてその方便を言うのはいかがなものか。人の心を動かすということがわかっていない。

「安全運転で出来る限りでいいので急いでください」

 なんて言われると、「よし!」と腕をまくる。人の気持ちなんてそんなもんだ。そう言ってくれたお客さんも何人もいた。相手の心を動かしてなんぼの営業マン。商談をうまく繕っても必ずボロがでる。