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2020/07/24

幼い頃に働いた時計工場で出馬宣言

 李在明知事の人気の背景にある生い立ち。自らを「土の匙」というようにその人生は波乱万丈だ。李在明知事は7人兄弟の5番目として生まれ、小学校を卒業すると工場ですぐに働いたという。2017年1月、党内の大統領選挙候補者争いの出馬宣言は、幼い頃に働いた時計工場でおこなった。

 貧しかったため中学・高校には進学できず、後に「制服姿の学生がとても羨ましかった」と回想している。働いていた工場の機械に巻き込まれ、負傷した左腕は今でも曲がったままだ。コリアンドリームなどもうないといわれる韓国で、大統領候補者として名前が上がるまでに登り詰めた李在明知事は “希望の星”なのだ。 

李在明知事 ©getty

 中学、高校の卒業資格検定試験を経て、奨学金で大学に入学。卒業と同時に司法試験に合格し、検事の道も開かれたというが、盧武鉉元大統領の弁護士時代の講演に感銘を受け、「独裁者(当時の全斗煥大統領時代)の下では働けない」と地元の城南市で人権弁護士としてスタートを切った。 

 市民運動にも参加しながら、2006年、当時の与党「開かれたウリ党」に入党。城南市長選挙、同市区議会選挙と立て続けに出馬するも落選を繰り返したが、2010年、再度臨んだ城南市長選挙で当選し、政界デビューを果たしている。 

公約の履行率は90%以上とも

 公約の履行率は90%以上ともいわれ、今回のコロナ禍でも政府よりも先にいち早く「災難支援金支給」に言及して注目された。 

「共に民主党」内では非主流、非文在寅といわれ、「虚偽発言か否かの裁判中には、与党内から『辞職すべき』という声が親文(文大統領派)から出ていた。与党のアウトサイダーです。安熙正忠清南道前知事や故朴元淳前ソウル市長が大統領選挙レースから脱落し、与党内でのライバルは李洛淵前首相のみと見て早々に攻撃を仕掛けた。汝矣島(日本の永田町のような存在)は李在明を警戒し始めています」(前出記者)

 李在明知事という異色の人物を巡り、これから与党や世論がどう動いていくのか。次期大統領選挙はまだ少し先だが、その動向からは目が離せなくなりそうだ。 

  

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