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ベイスターズファンの気象予報士は、どんな理由で、誰のユニフォームを買うのか

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/07/28
note

6連敗を乗り越え、チームとファンがさらに心をひとつに

 ☆今永投手の雨の日の成績。

 2019年 3勝1敗 防御率2.15
 2020年 2勝1敗 防御率3.52 

(7月25日現在)

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 気象予報士としては難しい雨予報に負けたくない思いがあります。そんな理由からか、雨に強い選手も応援したくなります。三浦番長からエースの称号だけでなく、雨男の称号まで引き継ごうとしている今永投手、今シーズン雨の日の防御率は3.52と、昨シーズンほど良くないですが、それでも2勝を挙げています。7月3日、雨の神宮球場でのヤクルト戦。今永投手は6回4失点ながら勝利投手になりました。今永投手のスパイクについた泥を落としてあげる木塚コーチも素敵でした。

 ところが、雨男にライバル出現。井納投手は今シーズン3試合中2試合が雨の日の登板です。その雨の日は防御率2.25と好成績。7月17日の巨人戦では、強まる雨の中で6回2失点と好投しました。宇宙人は雨中人と化したようです。ただ、この試合は6回雨天コールド負け。9回までを考えた作戦が勝負の行方にも影響。ラミレス監督は、雨が弱まると聞いていたとか。しかし、私の見立ては違いました。スマートフォンで雨雲の動きを見ていましたが、雨は強まる一方と思っていました。チーム内で気象情報の伝達がどのようになっていたか分かりませんが、天気予報は常に新鮮なものを使って欲しいと思います。この試合で3連敗となり、その後連敗は6まで膨らみました。連敗中はチームの今後が心配になる出来事も増えました。

 そして、6連敗からの3連勝となった7月25日の試合後、今永投手のヒーローインタビューに胸を打たれました。前回登板で伊藤光捕手が途中交代し、翌日登録を抹消されたことの責任を感じているようなコメントがありました。「前回はキャッチャーの意図した所に投げ切れなかった。きょうはキャッチャーが何を要求しているのか考えて投げられた」と。さらに「ベイスターズは、誰かのミスを誰かがバックアップして助け合えるチーム」とも。ベイスターズは、さらに心がひとつになったように見えます。今永投手もエースとして責任感が増してきたように感じます。

 真面目な話の中に必ず冗談を入れてくるところも好きです。通算最多登板記録は岩瀬投手の1002試合ですが、今永投手がこの日に言った通り、ぜひ2000試合登板を目指して頑張ってほしい……何歳まで続けたら達成できるのでしょうか。

©檜山靖洋

 私が買ったユニフォームは、「21今永昇太」。ユニフォームを買ったのは6月の開幕前でしたが、そのあとも日に日に“今永愛”が強まっています。今シーズンは21番を背負って心をひとつに応援します。

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