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「ドラマとバラエティの間の壁」は薄くなった

 さらに、芸人を起用することで、普段ドラマを見ていないバラエティ番組の視聴者にも関心を持ってもらうことができる。今の時代、ドラマとバラエティの間の壁はなくなりつつあり、番宣のためにドラマ俳優がバラエティ番組に出るのも一般的になった。

 そういう場にバラエティ慣れしている芸人俳優がいると安心感があるし、その人を通してドラマやほかの俳優のことを魅力的に伝えられる。それがドラマ視聴者の裾野を広げることにもつながる。

ネプチューンの原田泰造も、“演技派芸人”として多数の作品に出演している ©文藝春秋

では、芸人側のメリットは?

 一方、俳優業をやることは芸人側にもメリットがある。まず、俳優をやることでタレントとしての格が上がるという側面がある。芸人の社会的な地位は昔よりはるかに向上したとはいえ、やはり芸人というだけで不当に低く見られてしまうこともある。芸人が俳優をやることで、タレントとしての格が上がったと思う人はいまだに存在するのだ。

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 また、ドラマに出ることで、普段バラエティ番組を見ない層にも自分のことを知ってもらうことができる。特に、NHKの朝の連続テレビ小説や大河ドラマなどは、それだけを熱心に追いかける中高年層に支えられているため、そこにリーチできるのが大きい。

 まとめると、芸人のドラマ出演が増えているのは、ドラマのスタッフにも芸人にも視聴者にもそれぞれメリットがあるからだ。これからもこの流れは続くだろう。