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「広島の長野久義選手はなぜ夏になると急にヒットを打つのか」……10歳の娘が導き出した衝撃の結論

文春野球コラム ペナントレース2020

逆になぜ春は調子がよくないのか

 

 なるほどである。調子が悪い時の理由が分かれば、常に良い状態をキープできるはずだ。ここで目を引くのが「小さな時に嫌な思い出がある」だ。この季節はなんだか体調が悪いな、という苦手な季節が誰しもあるだろう。この中でも特に納得したのは「そう言われるとそうなる」である。確かに人に言われると変に意識してしまい、よりドツボにハマることは多い。こういった他人からの言葉は非常に大きいものがある。この「春長野」も「夏長野」も周りからの言葉に引っ張られている可能性は高い。なるほど色々見えてきた。そしてここから導き出された結論がこちらだ。

 

 頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。この自由研究を根本から覆された。そうなのだ。もう僕がこれを研究テーマにしたこと自体が雑音でしかなかったのだ。確かに自分も「なぜザ・ギースがハネることができないのか」という自由研究を、赤の他人に制作されたら心の底から大きなお世話だと思う。もしかするとこの「夏長野」を作り出していたのは自分自身だったのかもしれない。

 野球選手は本当に大変だ。少し調子が偏るだけで皆が騒ぎ立て、勝手なイメージを作られてしまう。我々は春だ夏だと言わずに静かに一生懸命応援することが大事なのではないだろうか。そんなことを気づかされた、娘の成長を感じた夏であった。

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