開幕8連勝のスーパーエース菅野、増田大輝をマウンドに送っちゃう辰徳マジック、年俸1.5億の3軍エース澤村……今回もマニアックな巨人ファンが思わず語りたくなるニュースが盛りだくさん。文春野球巨人軍の伊賀大介監督を中心に気鋭の巨人ウォッチャーたちが令和の巨人軍を語り尽くす座談会第2回をお届けします。

【参加者】

I:東京都出身40代。伊賀大介文春野球巨人監督。「野上2勝、岩隈4勝とか観たい」

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C:東京都出身30代。慎重。乙女。「湯浅クン、待ってる!」

H:埼玉県出身30代。新日派。文春野球が大好き。「東京ドーム選手弁当、おススメは亀ちゃん食堂キムチ炒飯弁当だ!」

M:秋田県出身50代。中畑清信者。「北村のスタメン起用に夢を見たい」

これでいいのか? 菅野依存

H「数字上は独走に近い状態だけど、そんな雰囲気はあまり感じない。今、巨人の貯金の大部分を菅野1人が稼いでいるんですよね。あまりにも菅野依存が強くなっている」

M「規定投球回数に達しているのも菅野だけ。こういう短縮シーズンで、もしエースにアクシデントがあったらという不安はあるよね。しかも原監督はローテを詰めて中5日にするという。詰めるとだいたい何か起こる。怖いよね……」

C「この間も中5日で登板したCC(メルセデス)が涙で左ひじ違和感を訴えて、それを受けた宮本コーチももらい泣きというシーンがあった」

H「あの涙はちょっと安っぽかったけど(笑)。この状況はなかなかまずいですよ。逆に、菅野以外で先発は誰に期待したいですかね?」

C「原さんが言うところのビース、シース、ディースね(笑)」

H「そうそう。一体俺らは誰に期待したらいいんだっていう。戸郷は頑張ってますよね」

I「そもそも戸郷で今貯金が4できてる時点で奇跡的なところはある。9勝はしますよね、おそらく。最低でも」

C「ローテを守ればね」

M「もう6勝してるのに、10勝じゃないのがいいよね。“戸郷おっかけおじさん”たる俺たちの期待値が9勝はするだろうっていう(笑)」

H「高望みせず、現実みちゃう(笑)」

C「このままいくと先発がどう考えても足りない。今村あたりも駆り出さないと」

H「巨人ファンは、今村今年こそはって5年ぐらい言ってるんですよね(笑)」

M「村田修一と一緒に自主トレやった頃から、来年の今村は違う、今年の今村は違うって毎年思ってるよ!」

H「たしか阿部慎之助との自主トレでモヒカンにされてたけど、あの頃から永遠の若手感が抜けてない」

M「永遠の若手感あるねぇ。そもそも平良がいればなっていうね(笑)。それは言わない約束なんだけれども、思ってしまう夏です」

I「でも巨人をこれだけ毎日追いかけてる俺たちでも、サンチェスのことを忘れちゃってる」

M「忘れちゃってる、忘れちゃってる」

H「あれですよね、なんかアバンチュール感というか。なんかこうひと夏の恋的な、瞬間風速的な投手ですよね。セドン感というか」

M「セドン感ってなんだよ(笑)」

I「いわゆる『安仁屋算』(※所属投手全員が絶好調で登板機会も十分という前提で各個人の勝利数を予測し、それを合算したものをチームの予想勝利数とする超ポジティブな考え方)みたいな感じで、サンチェスとった瞬間に、12勝は堅いなみたいな感じがあったんだけど……。カープの森下君をみてるとやっぱりああいう本格派ピッチャーが今年こそ必要だろうという感じがしますよね」

H「最近ドラフト最上位で取った投手が全滅に近い。その弊害が今のローテのクオリティの低さに出ちゃってますよね」

M「巨人はやっぱり先発ピッチャーはドラフト上位でとってきたという歴史があるんだよね。80年代の三本柱から、近年の上原、高橋尚成以降までね。そのへんの目算が崩れてしまって今の菅野ひとりエース状態がある」

C「それでいうと今オフ菅野がメジャー流出の可能性もある。もうその心配しているジャイアンツファンもおかしいと思いますけど」

M「今年の菅野は(24勝0敗の成績を残してメジャー行きした)マー君ロードを歩んでいる気がする。たぶん菅野自身のモチベーションもそこにあるよね。圧倒的な成績を残して、納得してもらってアメリカへというのを考えているでしょう。我々も真剣に考えておかなきゃいけないと思いますよ」

H「なんか個人的には今こそ先発澤村しかないんじゃないのかなというのはありますよ」

C「(笑)」

H「だって1年目に200イニング投げる大卒投手なんて、もう化け物ですよ。あのポテンシャルをもう一度先発で発揮してもらう。忘れかけてた菅野、澤村の両輪という夢を実現するシーズンじゃないのかなと」

I「美馬はいらなかったんですね」

C「ほしいですよね(笑)」

M「澤村再生のために美馬をとるべきだったという考え方もある。というのは澤村が中央大学に入学した時に同部屋だったのが、当時3年生の美馬なんですよ」

I「あっ」

M「澤村にとって美馬の言うことは絶対というか。澤村が尊敬するピッチャーは美馬なんですよ。美馬がいれば、澤村はおのずと、初心を呼び起こしてやってくれるんじゃないかと。今思いついたんだけど(笑)」

H「いやこのアングルすごくいいっすね」

C「先発美馬の後に澤村が投げたら、失敗するわけにはいかないみたいな」

M「そういうこと、そういうこと。同じ部屋で野球のいろはを教えてくれた美馬さんの勝ちを俺が消すわけにはいかない! というのもあったと思うわけです」

C「慎之助以外で頭ポカリしてくれる存在になったかもしれないということですよね」

I「だからやっぱりとにかく澤村はポカリしてもらわないと始まらないということですよね」

H「ただポカリは現代のラインでいうともうアウトですよね(笑)」

M「東京ドームのど真ん中だからね。しかも視聴率20%の日本シリーズの世界ですから。結構なパワハラでしたよね。8年前は結構パワハラに関してまだ世間がのんびりしてたということだよね」

H「澤村も32歳で、年俸1億5000万以上もらってるからトレードといっても簡単には行き先が決まらない。はっきり言って巨人で先発か中継ぎかで再生する以外にもう野球人生の先がない。澤村に夢を見た巨人ファンとしては見捨てずにやっていきたいですよ」

M「これほどページビューをかせげて、一般週刊誌の見出しになれる。巨人軍が誇る稀有なタレントなのでね」

H「結論として、救世主は澤村だということですね」

M「救世主は三軍にいたっていう(笑)」

澤村拓一

あみん並に待ってる、岩隈の帰還

I「来年FAでピッチャーというのはあるのかな」

C「大野雄大がいるけど、阪神に行くのが既定路線みたいな雰囲気がある。あとライアン小川か」

H「FAといったら野上を忘れないでほしいんですよ。あの石川梨華を妻にした男! 我らが野上!」

M「野上(笑)。これまた忘れてた」

H「もしかしたら後半には3勝くらいしてくれるんじゃないかと。岩隈は2勝、野上3勝で、澤村5勝の裏3本柱で10勝。これはかたいんじゃないか」

C「2年越しの岩隈待望論ですよ」

H「岩隈が終盤にマウンドに上がっただけでめちゃめちゃ盛り上がるよ」

I「岩隈は何かを見せてくれる予感がある。終盤、DeNAにゲーム差をつめられたときに、岩隈が1回投げて7回1失点するだけで優勝できる!」

C「晩年の堀内みたいなね」

M「球速はないんだけど、ゴロアウトを量産するミミズ殺し的なピッチングで」

H「長嶋巨人の金石みたいなね」

M「覚えてないよ!(笑)」

H「今年中島がめちゃめちゃ活躍したのであの世代はまだ終わりというわけじゃないと思う。亀井だって足に不安を抱えながら頑張ってる。なんか巨人のおっさんずの逆襲に期待したい気持ちがあるんですよ!」