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「国政に転身するの?」小池百合子知事が答えをはぐらかす本心とは――週刊文春記者は見た

『小池百合子 権力に憑かれた女』#3

 歴代2位となる366万票――圧勝して2期目に入った小池百合子都知事だが、いきなり“危機”に直面している。7月26日時点で、東京都の新型コロナウイルス新規感染者は6日連続で200人超え、その手腕が問われている。

「夜の街」「東京アラート」といったフレーズを繰り返し、フリップを使って分かりやすくアピールする。そんなイメージの強い小池氏だが、政治家としての本質はどこにあるのか。2016年の初当選から小池氏をつぶさに観察し続け、『小池百合子 権力に憑かれた女』(光文社新書)を出版した『週刊文春』記者が解説する。(全3回の3回目/#1#2へ)

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「自分の失敗は認めない人」

「彼女は他人の失敗は謝ることはできても、自分の失敗は認めない人なんですよ」

 小池百合子東京都知事(68)が7月5日投開票の都知事選で歴代2位となる366万票を獲得して再選を決めた後、私はある都政関係者を食事に誘った。私の初の著書『小池百合子 権力に憑かれた女』が刊行されるのを前に、取材でお世話になった礼をしようと思ったのだ。関係者の的を射た“小池評”に、会話は多いに盛り上がった。 

 その席で話題に上ったのは、再選を受けて開かれた7月6日の記者会見である。

 私は著書の中で、小池氏が記者会見で要領を得ない答えをダラダラと話して時間稼ぎをしたり、座席表をつくってフリー記者や週刊誌・夕刊紙記者を指名しない点を指摘した。情報公開を「1丁目1番地」とうたったわりには、不誠実な記者対応である。ただそれは、選挙を前にして、発言に慎重を期しているからだと思っていた。

 選挙が終わってしまえば失言など怖くないし、高揚感もあるだろう。記者クラブ以外の記者も指名して、開かれた記者会見にするのではないか。そんな期待をしつつ、その日私は都庁6階の記者会見場に赴いた。

 ところが小池氏は、会見をわずか30分程度で切り上げたあげく、指名したのは記者クラブ所属の5人のみ。普段は1、2人、記者クラブ以外の記者が当たっていたから、より“先鋭化”している。小池氏は、これまでのやり方が間違いだったと認めたくないようである。

2021年に予定される東京五輪まで1年となった7月23日、取材に応じる小池百合子都知事。この日新規感染者数は366人となった ©共同通信社

小池百合子が深々と頭を下げた日

 実は小池氏は深々と頭を下げたことがある。2017年6月、市場関係者の前に立ち、市場移転問題の不手際について謝罪したのだ(本の5章で詳しく紹介している)。潔く見えるが、これは石原慎太郎都政から続く前任者たちの不手際を詫びたものだ。都政関係者の言う通り、他人の責任をかぶることには躊躇しないのだった。