昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「理解してもらえない」増していく孤独感

 三浦さんも城田優や三浦翔平ら、芸能界の友人も多かった。だが、一方でインタビューでは、「僕は思ったことをわりと抱え込んでしまうタイプ」と自己分析している。

「芸能人は“唯一無二”になりがちな特殊な職業です。事務所との関係やイメージ戦略、CMクライアントの有無などによって、彼らが置かれる立場は十人十色。そのため抱える悩みもその人固有のものになりやすく、親や友人だけでなく仕事仲間に悩みを相談しても共感してもらいづらいんです。また同じ業界の友人は時にライバルにもなるわけで、無意識に『弱みを見せたくない』という発想にもなり得ます。

 また、皮肉なことに人気が出れば出るほど、芸能人は孤立していきます。ファンが増えるということは、相対的に自分を理解していない人が周りに増えるということ。そうすると『理解してもらえない』と感じることが増え、悩みがあっても内にため込むようになり、精神的な孤独感が増していく。これは大きなリスクです」

©文藝春秋

俳優という“演じる職業”は要注意

 Aさんも1人で悩みを抱え、苦悩を深めていた。藤井氏はカウンセリングを通して、Aさんの「事務所に結婚を反対されている」という悩みの奥に、さらに根深い問題が隠れていることに気が付いたという。

「彼女は仕事とプライべートを切り替えられないことにも悩んでいました。公私の切り替えはリモートワークなどが進んだ現在では、多くの人が抱えている悩みですが、芸能人の場合はそれが極端に難しいんです。

 芸能人の方々は、真面目であればあるほど、私生活でもファンの期待を裏切らないように“芸能人”であろうと努力します。私生活でもハメを外すことはなく、常に人の目を意識した生活を余儀なくされます。そうすると、次第に芸能人と素の自分の境目が曖昧になっていってしまいます。

 特に俳優という“演じる職業”は要注意です。作品のたび、役柄に深く入り込むことで、自分の輪郭がよくわからなくなってしまうことがあるんです。三浦さんも天才的な才能を発揮し、役柄ごとに印象がまったく違う演技をしていました。そういった方は特に、自分自身のベースを保てなくなってしまうんです」