2020年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。男性芸能人部門の第3位は、こちら!(初公開日 2020年6月11日)。
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《明日なめて欲しいなぁ》《ひっつきたかったなぁ》
取材班が入手した4000通以上に及ぶLINEのやりとりの中には、100以上におよぶ「好き」「バナナ」「ミルク」などといった卑猥な意味の言葉や絵文字が並び、局部を写したわいせつ画像までもが添付されていた。相手男性は要求に応じて返信しているが、この2人の関係が、大手芸能事務所の大幹部と若手新人アイドルだと見え方も変わってくる——。
幻冬舎・箕輪厚介氏が編集者の立場を利用してライター女性に対してセクハラを行ったという文春オンラインのスクープは、出版業界内外で波紋を広げている。セクハラ被害を告発する「#MeToo」運動が世界的に広がるきっかけになった米ハリウッドの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏による女優たちへのセクハラ事件も記憶に新しい。
本件も力関係の構図はまったく同じだ。タレントの生殺与奪の権を握る芸能界の大御所プロデューサーであり歴史ある芸能プロダクションの大幹部が、自分の権力を笠に着て、若手タレントを“手籠め”にしていたのだ。
若手男性アイドルが受けた卑劣極まりないセクハラ行為
テレビ業界に大きな影響力を持つ、最大手の芸能プロダクション「株式会社ワタナベエンターテインメント」。その常務取締役の要職に就く大澤剛氏(47)が、自身がプロデュースした若手男性アイドルに対し、約1年間にわたって、卑劣極まりないわいせつ行為や肉体関係を含むセクシャルハラスメントに及んでいたことが「文春オンライン」特集班の取材でわかった。被害男性のA氏(20代)は記者に対し、セクハラの事実を認めた。大澤氏は既婚者だ。
中山秀征、恵俊彰、石塚英彦、ネプチューン、ハライチ、アンガールズ、立川志らく、城田優、志尊淳、松本明子、イモトアヤコ、柏木由紀など、多くの有名タレントが所属するワタナベエンターテインメントは、吉本興業やジャニーズ事務所と並ぶ業界最大手の芸能事務所だ。戦後、給料制を導入し著作権管理にもいち早く乗り出し、興行の世界を近代化させ、昭和の芸能界にて覇権を握った「ナベプロ王国」こと渡辺プロダクションの直系で、昨年の売り上げは100億円に及ぶ。